金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

私の思い出話

家族にわからないようにお札を送ってほしい

昔、祈願を依頼した方から「わからないようにお札を送ってほしい。家のものが宗教が嫌いなのでわかるとお札捨ててしまうんです。」という言う要望がありました。 聞けば別な名前で出して欲しいとそのニセの「差出名」まで教えてきた。 私はそういう家はまだ…

誤解

昔こんな人がいた。 「○○さんも私を誤解している。××さんもそうだ。そして○○先生も私を誤解している。そのうえ、先生までも私を誤解するんですか?」と怒気も顕な怒り様。 「あんたそんなに誤解されてるんだね。だったら、誤解する側とされる側とどっちが悪…

木の芽時

あるお寺さんに真夜中の電話がちょいちょい鳴ると聞いた。 もう木の芽時ですからね。 うちもだいぶ前夜中の2時に電話が鳴るから何事かととったら「あの…姓名判断ってしていますかァ?」 「今の時間はしていません!」 祈願寺はこの季節はよくわけわからない…

呪詛返しと護摩

去年、ある方から「呪詛返しを教えていただけないだろうか」という電話をいただいた。 祈願をしているお坊さんらしい。 誰か信徒さんでそういう人がいますかとお尋ねしたら、どうもご自分のことらしい。 祈願寺にはときどき変な奴来るからね。 逆恨みや自分…

金面竜王と林天朗氏

金面竜王作ってもらいました。 八大竜王が法華の守護神なら、金面竜王は最勝王経守護の龍王だそうです。 諸天夜叉護持品にその名があります。 濱地天松老師の弟子だった林天朗さんは時々金面竜王の話をされた。 濱地先生は手に入れた竜の意匠の金ボタンを「…

「私って誰?」の仏教

昔、お坊さんではなく、唯識を研究しているという方に逢いました。 非情によく勉強していて私などのレベルではたぶんお話にならないでしょうね。 私なんかは例えば瑜伽唯識系の「解深密経」なんか読んでも、何のこっちゃ?って程度の脳味噌ですから。 「非常…

ある信仰問答

学生のころ、「宗教なんか絶対信じない」という人がどういうわけか、話をしたいと言うので話したことがある。相手は二つくらい年上。よその学生さん。 のっけから「僕は絶対に宗教とか信じない。だけどね。君は信じてるんでしょ。それって君から見たらどう思…

守護霊をつける相談

守護霊をつけるには? むかし電話で「さるところにいったら守護霊様をつけるのに10万円でつけてくれるというけどお金がない。そちらではいくらでつけてくれますか?」と聞かれた。 「守護霊ですか。それは自分でつけるものですね。」 「え、どうしたらつくの…

御礼を言いたい

大分、前のことだが祈祷札のお名前の字が一文字違うというのでお叱りの電話をいただいた。 えらくご立腹だ。 「それは大変すみません、すぐに替えさせていただきます」と言ったら 「オイ、待てよ。これ私が気が付かなきゃそのままなんだろう。どうなるんだ!…

人型加持

人型加持はもともとの名前は「雛型加持」で師匠の師。そのまた師からの伝承である。 私が師匠の寺で小僧をしているときは師匠は四六時中人型を書いていた。 300以上も書いておられた。 それでどう拝むのか聞いたら「別に壇に上がって祈願はしない。これは書…

得度は配偶者が不承知なら断っています。

この間。得度希望の方。 既婚者の場合は必ず、宗派に出す書類の保証人(親族)は特殊事情でない限り、配偶者に頼んでいる。 夫婦というのは完全に一人じゃないからね。 「そんなことは勝手だ」じゃすまない。 配偶者が押さない場合は許可しません。 別に配偶…

ある爬虫類屋さんのお話

むかし神奈川県のある街に爬虫類屋さん(ペットとしての)があった。 中野の有名な爬虫類店の番頭さんをしていた人のお店だった。 面白い人でお店に行くとトカゲとかがわんさか水槽で前の方に出てくるのを見て「これ餌欲しいのかな?」と言ったら「違います…

プレーリードッグ

news.yahoo.co.jp 大型のジリス、今は海外から流通がなく国内のブリードで50万円前後もする。 よく馴れて可愛い動物です。頭も良い。 昔、占術家のs先生の紹介で難病治療中の女性から入院するというのであずかったことがある。 そうしたらこの女性にはクズ…

不思議な神様「悪食さん」のこと

k師のお寺にk師の故郷にゆかりの「悪食さん」という神様がある。 お姿はいわゆる獅子頭である。 何でも食べる。悪霊や悪念も食べたりするという強力な方らしい。 それで「悪食さん」無論あだ名だ。 なかなか頼もしいガーディアンだ。 岩手の早池峰権現にお…

味噌の味噌臭きは上味噌ならず

私が初めて入門したとき、師匠はこれからは仏法を学ぶんじゃなくて世俗を学べよといわれた。 どういう意味か皆目解らなかったが今は少しわかるように思う。 貪瞋痴の煩悩を除くのが仏道。 貪らない。愚痴を言わない。怒らない。 だがこれらを徹底したら周囲…

友という言葉

「どなたもみ~んな、お友達」というのは誰でも受け入れるというメッセージとしては善いが、それは建前だ。 人間は本当はそうはいかない。 小学生の時、おとなから同級生をして「ああ、あの子も君のクラスの友達?」と聞かれて「違う」と言った。 後から同級…

「幸せを殺せ」

ある老師が亡くなられた。 御年83歳 禅を以て諸国遊行の末、山中に住まい、武を練り、最後まで病院にもいかないで安らかに旅立たれたと聞いた。 実に数奇な一生を送られた老師であった。 禅の人で臨済禅の大森曹玄老師のお弟子であった。 そして私の気功の師…

どう祈るか

20代の行者かけだしのころ。ある女性が相談にきた。 亭主の浮気に泣いているという。 でもいつか分かってくれると甲斐甲斐しく一生懸命尽くしているという。 「仏様はきっと見ているでしょう。仏様がいつかきっと救ってくれますよね。」という。彼女はそう…

「覚りてなお情け有り」

菩薩を「覚有情」と訳す。 「仏心とは大慈悲これなり」と大無量寿経にある通りだ。 その仏になろうというのが菩薩。 金剛経の大家・濱地天松居士は「悟りてなお情け有り」とよませた。 情けというのは煩悩だ。 情が立ちがたいのが人。慈悲も見方を変えればた…

一寸一部の働き

昔の話だが難しい病気を祈って首尾がよかったりすると、他のケースでも「大丈夫ですよ。任せて下さい。」と言いたくなるものですが、そういうことを口にする時に限って全くよくならない。 判で押したようにほかのことも結果は出ない。 それでそういうことは…

ある尼僧の教え

これはある禅尼さんから若いころ聞いたおはなし。 お寺の信徒さんから「尼僧さんは座禅を良くしますか?」 「禅僧ですので私は一応毎日いたします。」(最近は自坊に帰れば全く座禅しない禅僧さんもいるらしい) 信徒「すごいねえ!いいなあ。」 「僧堂では日…

三十七人呪詛の大行者

これは私の話ではなく私の法友の話。 もうかれこれ30年以上昔だがうわさで三十七人を呪詛して殺した大行者というのがいて、ある人が呪われたという。 それで何とかしてほしいという話を法友に頼んできた。 法友はなんだか心当たりがあったそうだ。 それでど…

奉仕の心 平等の心

こんなに良くしてるのに振り向いてくれない。 恋愛のことじゃないですよ。 信仰の話。 お寺などでいそいそやってきていろいろしてくださる方はありがたい。 あるいはドドンと奉納する。毎度毎度何かしらいいもの持ってくる。 でもそれは本尊に対する奉仕だと…

狐が怖い2

昔ちょくちょく出入りしていた女性。 よく来るんだけど信者にはならない。 まだそのころは講員とかない。 ちょっとスピリチュアル系的な考えの方でしたが、その方の友人が「こちらでは信仰しないの?」と聞いたら・・・ 色々興味深いのだけど・・・羽田の傍…

ミイさん供養

高校生のころ、昔、私が住んでいる近くに龍口寺があった。 日蓮上人が首を切られそうになって江の島から上がった光物のせいで命を長らえた霊跡である。 立派な五重塔はおそらく県下有数だろう。諸堂立ち並び、頂上には白亜のインド様式の巨大な仏舎利塔もあ…

狐が怖い

むかしのはなし。相談予約の人。来たはいいが本堂に入れない! 結局霊障の相談だったらしいがそういうと断ると思って別件で予約。 はいれない理由は狐の置物が恐ろしいとのこと! すんごく怖がる。 顔が青ざめている。 私も「コワくないですよ~」「置物です…

二代にわたる修行を一身に

私の後輩で知る人ぞ知るK師は神通広大の人だが、彼がはじめて大井町の大福生寺に来た時、たしか中学生か高校生だったが、彼の後ろから護摩堂に上がっていく僧侶が見えた。 師匠に聞けば、そのお坊さんはボンカイさんと言う人で彼が得度するのもそのお坊さん…

凡夫のおのれの中に仏を見出す

大峰山には都合14回行ったが未だに想うのは人間の脳みそなんか何でも都合で見せてくれるよねということ。 山中で道に迷って一昼夜あるいたこともあったが突然右手に石垣が現れたり、あるいは昼間でも疲れてくると群生する山ツツジの花の朱色が、あたかも赤い…

座布団妖怪の話 妖怪は土地に絡む存在

私が大学生のころお家族である宿にと真立ったら息苦しくて目を開けたが体が動かない。ふと見ると布団の上に座布団のような四角いものが載っている。 それで動かないようだ。そればかりか声も全く出ない。 そうだ、こんな時こそ。 何度か不動真言を唱えて頑張…

最後の頼みの綱は・・・

昔、先輩の尼僧さん、とはいっても普通に家庭婦人であり、夫を助けて事業にいそしむ人でしたが、その事業がにっちもさっちも行かなくなった。ご主人は聖天信者でしたが「もう、ダメだ。」とギブアップしてしまった。聖天さまへのお参りも失意のあまりできな…