金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

当院の神仏

●十一面観音

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十一面観音は当院の本尊です。変化観音の一つで六観音の中では阿修羅道を救う大光普照観音といわれます。戦国時代東国を中心に多くの造像がなされたようです。これは武将や豪族たちがやまない戦乱に生きる自らを阿修羅道の苦にあげく存在と感じたからかもしれません。諸観音のうちでも優しいお姿に見合わず猛々しい性格を秘めている観音とされます。現代社会も見方によれば一種の修羅の世界かもしれません。振り返り見れば多くの人が孤独な戦いの中にあります。
当院の観音さまを参詣される人は拝む日によってお顔が変わるように感じる方もいるようです。お名前の通り、十一のお顔のある観音さまです。中には真後ろで見えませんが暴悪大笑面といって、我々の悪業をあざ笑う顔もある個性的な観音さまです。奈良時代より悪病を除く観音としても知られています。
 
●飯縄明神

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飯縄示現大明神ともうしあげ、将軍地蔵、不動明王の垂迹とされます。

そのお姿は迦楼羅天(インドの猛禽神ガルーダ)をモデルにしていますが狐を踏み蛇をまとい、背に鳥の翼を付けて荒々しい大自然のそのままの霊性を表現していますが修験道ではこの姿こそ大日如来の正体なのだといいます。
我々の生き物としての生命力の源泉の表現でもあります。摩利支天、荒神、宇賀神、稲荷神にも化身し、信州飯縄山にある当山奥ノ院の本尊でもありますが本院では十一面観音の右脇侍としています。この形式は住職の先祖にゆかりのある筑紫の宝満山の三尊形式です。毎月18日の御護摩の本尊でもあります。先祖のゆかりや御霊示によって奉安することになった明神様です。本地仏として騎馬勝軍地蔵菩薩も奉安しております。
 
 
●毘沙門天

 

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十一面様の左脇侍です。飯縄明神が人自然と直結した本来の生命力を表すなら、毘沙門天は我々の社会的な則面を表現しています。そしてそうした社会生活や経済、家庭といったものを守護してくれるご本尊です。ゆえに天界の守護者の任たる武装に身を固め吉祥天女と禅尼師童子というご家族を連れたお姿です。その昔、伝教大師さまが都の鬼門の抑えとして比叡山に祀られたように鬼門方位の守護者でもあります。有り余るほどの財物を火に三度焼き捨てるというほどの福の神ですが、「毘沙門天王功徳経」によればもっぱら、父母孝養、功徳善根、国土富鐃、一切衆生、無上菩提の誓願のある者を助けるという護法善神です。

 
●秘仏 聖天尊
つぶさには大聖歓喜天と申し上げます。また単に歓喜天ともいわれます。
十一面尊音が女天となり象頭人身の魔王である毘那夜迦王がにお嫁入りして和合の相を示された尊天です。古来霊験無比の尊天として有名ですが、利益におぼれた増上慢の者には容赦ない鉄槌を下すといわれます。正しい信仰を持ち心して拝みたい天尊です。
 

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毎月七座の浴油祈祷をしていますが御祈願は講員限定です。聖天様は基本的に秘仏ですのでお姿は拝めません。当院の聖天像は男女二天とも六つの牙がある尊像で普賢延命菩薩とゆかり深く、とりわけ延命や病難の苦を払われる御力が大きい天尊です。
当院の聖天様は六牙あり、普賢延命ともゆかり深い男女二天とも権化の天尊です。
 
●尊星王
妙見菩薩ともいい北極星の神ですが本山の三井寺では単なる星宿神ではなく森羅万象の象徴でもあります。夜の大日如来といってもいいでしょう。ゆえに「三井の御修法」といえば多くは尊星王供のことです。大日如来の「如幻三昧」の尊といいます。この故に内証は大日如来と並びますが姿は天部に列し、三井の伝承では吉祥天と同尊といいます。当院では星除け、方位除け、星祭本尊として日常的に祈りがささげられています。

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●騎馬勝軍地蔵菩薩

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不動明王と並び飯縄様の御本地です。地蔵菩薩ではありますが武装して馬に乗り。畢竟空寂の兜をかぶり発心修行の旗をかざし、随求陀羅尼の冑を着て…と儀軌通りのお姿です。金星や天狗信仰と深いかかわりがあります。昔は主に軍神として拝まれてきた歴史がありますが大変強い救済の力を持ちグローバルな御守護がいただけます。

●九頭竜権現

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戸隠山の地主神として古来知られる頭が九つある竜神です。八大竜王の内には和修吉竜王が九頭竜王として知られます。凄まじさのなかにもユーモアのある龍神様です。気力や勇気をくれる御利益があります。
 
●八大竜王
法華経に登場することで知られる。願成就祭のご本尊で十一面様の御眷族です。本来は難陀跋難陀以下八体の龍王様ですが当山のお姿はその総体的感得像です。五月の「鳴動護摩」に開扉します。

●地蔵尊と馬頭観音
地蔵尊は広く六道の衆生を救い、馬頭観音はなかでも畜生道の救済者です。
八月のお施餓鬼には広く万霊の供養をいたします。別して水子供養、動物の供養も随時しています。
当院では動物は戒がうけられませんのでお葬式というスタイルはとりません。もっぱらお経や陀羅尼の功徳でのその得脱を祈ります。また突然いなくなってしまった猫ちゃんやワンちゃんの引き戻し祈願や健康祈願もしています。
馬頭観音は八大竜王を統率し本尊十一面尊とゆかり深い観音です。写真はペットをお守りくださる馬面馬頭観音
 

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深沙大将 玄奘三蔵を助けた大般若経の守護神。砂漠の竜神様です。

大般若理趣分は祈願で極めてよく使います。

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神々 

金翅鳥院は神仏習合の立場から多くの神様も奉安しています

●諏訪大明神
諏訪大明神は住職の学生時代の霊夢にもとづき勧請しています。当初「諏訪之稲荷大権現」といって出現されましたが社会通例の名称により単に「お諏訪さま」と呼んでいます。お参りする人の社会的躍進や出世に大変お力の頂ける神様です。
境内に地祭りしております。稲荷と云いますが実には竜神様です。
 

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右は宝満大菩薩(竜宮乙姫) 左は天満宮

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熊野三所権現

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牛頭天王

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蔵王権現 

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 ●そのほか、如来荒神、軍荼利明王、宇賀弁才天、荼吉尼天などを奉安しています。