金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

心の隙間

心の隙間を埋める」と云う言葉があるようですが、実のところ、心は隙間を作りたがりません。いつも何かで心はいっぱいなのです。
その何かを仏教的に言えば煩悩とか妄念とかいうことになりますが、とにかく心というものは隙間を嫌う。だからいつも何かしらでいっぱい、いっぱい。そういう性格があります。
そこで仏道修行では、座禅でやる数息観のように数を数えたりして煩悩のおきてくる空間を防ぎます。
読経や真言もそうですね。
勿論、読経や真言にはそれ自体に功徳という者がありますが、心理的にはこれを唱えて心の隙間を埋めるという作用もあります。
良くお経を覚えられないので唱えないという人がいますが覚える必要はありません。もともと読経とは経本を見ながらするものです。
余り慣れてしまうと逆にスラスラ唱えながら煩悩を起す空間もできてきます。そらんじられるのがいいとは限りません。むしろ、慣れなければ心はそれに目いっぱい取り組みます。
ですからなるべく丁寧に読経したいものです。