金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

愛と親密感

心理カウンセリングの教室で教えてもらったこと。
人間が本当に欲しいものは「愛と親密感」だそうです。
だそうです・・・と云うと他人事の言い様ですが私も実際そうであろうなと思います。
ちなみにこれは別段、相手は異性の人間と云う限定などありません。
つまり必ずしも性愛がナンバーワンと云う訳では全くないのです。
とにかく愛と親密感が感じられるなら、老若男女、お婆さんでもお爺さんでも子供でもいいのです。
もっといえば人じゃなくても猫でも犬でも大蛇でもバルタン星人でもいいのです。
私が心理学の指導をしていただいているコーチの場合はエビだそうです。
実際に見せて頂きましたが、エビと云ったって伊勢海老のようなドンとしたものではなくとても小さいのです。桜エビ位かな。
こんな小さな生き物にキチンと「愛と親密感」を感じられるのは「ウ~ン凄い!」と感動しました。

人はこの愛と親密感が欲しいので頑張って金持ちになり、ドデカイ家を建てたりもすれば、そのために事業を起こしたりもするのですね。
あるいはオシャレに莫大なお金をかけて、人によってはああでもないこうでもないと御顔の整形さえします。たくさん勉強して尊敬されるようなスキルで武装します。
お金がないと愛されない。利口じゃないと、有能じゃないと、奇麗じゃないと愛されないと思うからでしょう。
まあ、世間的にはそれも一面の真理で有るかもしれませんが・・・・。
良くお金が儲かるようにとか、良い学校に行けるようにとかの祈願を頼まれますが手っとり早く幸せになりたいということなら「むしろ愛と親密感」が得られますように…とお祈りするのが合理的かもしれないですね。

だから何でも欲しいものはやるからたったひとりでタイムマシンに乗り中生代白亜紀に行って暮らしてくださいと言ってもいく人はまずないでしょう。
また、「私はたった一人で晩年は誰にも知られず余生を送りたい。」などと云っても、実際はたった一人で暮らしていること自体は知ってほしいのです。
或いは一人で人知れず死んでいきたい人も一人淋しく死んでいったことはおそらく知ってもらいたいのだと思うのです。

たとえば私も普段は犬猫や鳥獣と一人で暮らしてはいますが別段人間が嫌いなわけじゃない。
全然、人間のいない世界なんて無理です。
改めて考えるとむしろ基本的に人間が好きだから今の仕事をしているのかもしれないなと思います。
まあ一緒に住んでなくても周囲に人はいますし、毎日誰かしら来ますから。
淋しいというほど淋しくはないですね。
そういうわけで愛と親密感の距離は人により様々です。
猫なんかはしゃべらなくても目や表情で意志を伝えてきますからじっくりコミュニケートできます。
生き物には皆、接近の物理的限界域、「臨界距離」があります。
つまり生き物の領海とか制空圏のようなものです。
ちなみに人と人では臨界距離は女性の方が狭い。
若い女の子などは友達同士が隣りあわせにおしくらまんじゅうのようにくっついておしゃべりしているのも見ますよね。
だから女性は特別な好意が無くてもドンと男性の臨界に入ってくることがある。
そうするとアホな男性は彼女は自分に特別な好意があるんだと誤解する場合もあります。


心のふれあい以外に幸せなんてないんだと割り切って考えれば、皆さんの多くは幸せにその手が届く範囲にあるのではないのでしょうか?