金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

青面金剛の御経

今日は庚申様です。庚申様と云うのは60日に一度体内の三尸の蟲が天にいる帝釈天にその罪科を告げに行く日だといいます。
つまり60日に一度のカルマのチェッキングです。
蟲と云ってもカブトムシやトンボみたいな昆虫じゃなくて、昔の書を読むと漫画の「蟲師」に出てくるような、目に見えないへんてこな生き物のようです。
絵ではなんか牛の首に足が一本はえているような妙な姿もあります。
そんな蟲いるの?
蟲自体はともかく機能的にはそういうものは存在します。
つまり、これは実は我々のカルマですね。それが阿頼耶識つまり天の主催者である帝釈天にあなたの後の運勢を決めるため御注進するわけです。
これを物語的に言うと三尸の蟲のお話しになります。
庚申さまでお祀りされるのは帝釈天神道では猿田彦大神ですがなんといっても一番多いのは青面金剛です。
これは一応「明王部」の仏様ということですが出自は「夜叉部」です。つまり、帝釈天の配下の毘沙門天の眷属ということです。
つまり帝釈天から見れば部下の部下で社長と課長の関係です。
でも出世して明王になりました。
青面様は帝釈天に報告すべき内容をちょっとストップして待ってくれます。
もみ消すんじゃないんですよ。
是非とも大変なことになるところを指導矯正するのが役目です。
粋な計らいで上に書類出すのを待ってくれるのです。

おなさけのあるお奉行様みたいな方です。

大岡越前みたいの。

でも帳消しじゃなくてその人のことはじっと見ています。だから青

面様に拝んでもらってよくなっても積善に勤めないと元の木阿弥です。
一転「不届き者目!ひっ捕らえよ」ということになる。
法験あらたかな青面様ですが、そこを甘く見ていると必ず失敗します。


同じ毘沙門天の配下の阿吒縛夜叉大将は大元帥明王に出世しています。
どうも毘沙門様の配下は出世しやすいんですね。
毘沙門様はずっと天部ですけどね。
だけど毘沙門天東密では仏菩薩に近いイメージらしい。そんなことを真言宗の方から聞きました。
「大毘沙門」という秘印もあるしね。
台密では「上界の天」ということでこれ又大事にします。四箇大法で拝む天部の本尊は毘沙門様だけですね。
まあそんなことで青面金剛様のお経をご披露します。
「庚申祈り経」と云います。もちろん和製経典です。青面様のことは私がゴチャゴチャいうよりこれ読めばよくわかります。
 
それ庚申といっぱ大日覚王の教令輪身也 
うちに白業清浄の慈心をふくみ外には青面金剛の尊躯をあらわす 
垂迹は本朝国つ神の祖神猿田彦大神と申し奉る 
その干支に会うて一夜の睡眠を凌ぎて祈ればいかなる求願も成就なさしむるとのご誓願なり
殊に吾ら衆生のために五穀豊饒を護り、いかなる難病をも癒し給う
至心帰命庚申青面金剛尊の光明は
天地四方を陰日向なく照らす真の光也
祈る頭に現れて朝に祈る金剛尊 夕べに祭る庚申尊 
我が身に守る御誓い 
国泰平に治まりて衆安かれと庚申に
げに百八の御数珠を懸けし誓いには天地の 
内に生きとせ生るもの 活と活ふる者は皆
嘆きの海や悲しみの灘に
漂う哀れなる 
身は苦しみの船に乗り 
智慧も力も無きの櫂 
思いに迫る涙舵 
遣る瀬無き身の浮き沈み 
悩み患い病めるもの
助けいたわり救わんと
祈る心も庚申の
恵み、哀れみ、御慈悲で
貧しきものは富ましませ 
卑しきものは貴うし
餓えたるものは養わせ 
凍えるものは暖めよ
烈しき煩み去らしめよ 
強き患い緩やかに 
悪しき病は癒しませ 
いかなる祟り障りをも退けたまえ永劫に
いかなる重き罪とがも許し給えや速やかに
かかる利益を賜りて慈悲の御心知らしめよ 
生きながらえる現世も
欠くることなく喜びを授けたまわれ庚申尊
誠を以て祈りなば四夜叉の眷属使役して
我らの願いを護らしむ
これを思えば新かな我が庚申を信ずべし
二世の願いを哀れみて
守りたまえと一心に
心を込めてお祈り奉る

東方菁帝夜叉 南方赤帝夜叉 
西方白帝夜叉 北方黒帝夜叉 中央黄帝夜叉 
オンデイバヤキシャ バンダバンダ カカカカ ソワカ

お経と云うより和讃か祭文みたいですけど庚申信仰の人にはいいかも知れません。
昨日、タイムリーにも夢で教えられた庚申様のお守りの作り方があります。
拙寺は庚申信仰じゃないです。それで庚申様の任意教会をしているお弟子のS君に教えておきました。
それっていうのはザックリ言うと五色の石を御加持してお守りにするんですけどね。
夢では、いざというときにはその石は五帝夜叉になって活躍したり、守ってくれるんですね。
風水の五鬼運財法というのがあるけど。厳密にはこれは風水というより術ですね。
台湾往くと五つの鬼神の頭をした棒が売っています。それを財法という方位に御飯の碗にさして並べておく。
そうするとどっと財が来る。これは密教的に見れば施餓鬼法の一種ですね。構造は同じこと。
餓鬼を供養すると財運が良くなります。この場合は餓鬼の親分つまり夜叉ですね。方位術も兼ねてるし、だからもっと効くかもね。
授かったけどやってはいない。
これは横財といって一過性です。(施餓鬼はそうじゃありません。ゆるやかですし、財はあくまで副効果です。目的じゃない。)
正攻法でお金が来るのとちょっと違います。あんまりやるとよくない。
でもこの五鬼というのは青面金剛の五帝夜叉と同じものだと思います。
だから五帝夜叉でやっても多分ですけど同じ結果が出ますね。
H先生の納音法と同じ感じです。こういうのは乱用は良くない。
頓服薬的に使います。
でないと術の「返り」が来ます。
この間は青面法を伝授してほしいという人もみえたし、なんか最近、青面金剛縁ある日々です。