金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

菜根譚の叡智

どこか見知らぬ地に一冊だけ本を持っていくとしたら欧米人はやはり「聖書」だそうです。
私はどうかと云えば「菜根譚」ですかね。
天台僧だから法華経というのが本当は良いのかもしれませんが・・・
菜根譚は仏教世間編ともいうべきもので世間と出世間を問わず実に素晴らしい。まだ読まれていない方は是非ご一読ください。素読するとなおよいのではないかと思う。
私は何か行き詰まりを感じると開くことにしています。すると必ず答えが見つかる不思議な書です。
思想背景は禅的ですが中国思想も加味されています。
この中国思想というところが現実を離れずに実に良いものをもたらしています。だから菜根譚はただの抹香臭い本ではありません。
読んで直ちに生きた智慧がもらえます。
日ごろ私は中国をあまり良く言わないのに不思議と思うかもしれませんが、共産主義以前の古き良き中国は東アジアの文化、文明そして思想的な恩師であることは間違いないのです。
良いことは良い、そして良くないことは良くないということです。
この本は入門としてとてもよかったです。