金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

呪術のフィールド

2日目の案内人は仏師のAさん。後で知ったのですがこの人自転車で世界一周してしまうようなすごい人なんですね。
なんと自家用車で天河まで連れて行ってくれました。
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これが天河弁才天、本殿への上り口です。
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ご神前です。天河の神寶である大きな五十鈴がさがっています。
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本殿右手の境内地全景
朝から土砂降りでしたがうまく止みました。気持ちいい!
どうやらAさんは晴れ男みたいです。
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洞川龍泉寺の八大竜王銅像。いつも通りこちらへも参拝。これは難陀龍王ですね。

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そして金剛蔵王大権現のおわす金峯山蔵王堂。東大寺大仏殿に次ぐ日本で二番目に大きい木造建築物だそうです。


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帰りには金剛山の高間彦神社に寄せてもらいました。初めて来ます。
タカミムスビノカミを祀ります。
神さびたという表現がぴったりくるいいお社です。大和地方にはそういうお社が多いですね。東京のコンクリートで固めた参道のお社なんかとは雰囲気が違います。

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一言主神社 ここも初めて来ました。「吾は悪事も一言、善事も一言、言い離つ神。葛城の一言主の大神なり」と雄略天皇に語ったという神様。
この神様を非協力的なので役行者は呪縛したという伝説があります。
実は女神様なのですがお顔が醜いので昼間は人目があり働くのが嫌だったそうです。神を呪縛するなんて凄いですね。
お顔が悪いので恥ずかしがる女性を呪縛するなんて役行者さんも女性に優しくないですな。
修験道の天敵?ジェンダーフリーの皆様が聞いたらお怒りになりそうなお話でございます。



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変わったイチョウの巨木が・・・お乳みたいで子育ての霊験があるとか。
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これはまつろわぬ一族であった土蜘蛛の塚。
Aさんは「クモ」は加茂に通じる。つまり役行者の一族。土蜘蛛退治の話はこの地方の豪族である加茂氏が進出してきた大和朝廷に屈した象徴なのでは…というお話。

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もう、周囲はまったく以て秋の風情です。

Aさんと車内で山岳信仰やら古代史やら何やらでたっぷりお話させていただきました。
私が勝手にしゃべっていたのは「呪術のフィールド」ということ。
今でも大和地方はそういう呪術のフィールドです。同じように四国も最強の呪術フィールドですね。
修験だとか古き神々とかそういうものが人の心の奥にあるうちは呪術はとても活発に効くのだということです。
誰も振り返らなくなったらもうそこは呪術が存分に力をふるえない空間になる。
発信者と受け手がいて呪術は成り立ちます。
信仰も同じ。
誰もいなくなればそれは古き咒術の終焉です。
神は埋没神となって表舞台からは消えていく。
例えば西洋の悪魔祓いは多くの場合、日本の狐憑きには無効だと思う。
よって立つフィールドが違うから。
でもこのフィールドというのもタダの縄張りじゃなく意識の集合体ですから拡大も収縮もする。
そういった意味ではキリスト教はうまく伸ばしてきたんでしょうね。今までは。
キリスト教はハワイでもキラウエアの火の女神ペレをさんざん冒涜してその存在の無を教えた。
でも形の上で死んで消えてなかったんですね。ハワイ人の原型的フィールドは。
そうなるといったんは消えてもまた出てきます。
埋没神の復活です。
女神ペレは今でもハワイでとても人気のある神様です。
フィールドの堅い私たちの日本などでは阻まれ威をふるえない。
逆にアバウトだからがっちり勝負ができないかったのでしょう。
たぶんキリスト教にとっては枠のあやふやな苦手な相手ですね。
無意識のフィールド。
これって新宗教などでもその道場では顕著な霊現象が起きるのと一緒の仕組みです。
でもそこから外に出ればまた別です。
Aさん長時間運転して本当に方々連れて行って下さりありがとうございました。
勝手に長々つまらない話をいたしました。
Aさんはいたってまともな方ですので、頭の変な人だと思ったかも…実際変かもしれないですけど。(笑)
お許しあれ。