金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

俱生神

この前、わが師である現大福生寺のご住職とこの間話をしたら面白い夢のお話が出ました。
ゾウさんがあちこちで木にセミみたいに上って出産している夢だそうです。
中にはガネーシャみたいのも生まれてくるんだそうです。
ところがやはり像の出産というのは大量の羊水やらエナやらが出てくる。しばらくすると皆いなくなっているけど地面の上にはそれらが残っているという夢だそうです。ちょっと不思議というか、不気味な夢でもある。
「なんでしょうね?」と聞かれて「さあ・・・」という感じですが・・・でもこれって「エナだからエナ荒神荒神さん拝めってことじゃありませんかね?」といいました。
師匠も「そうか…荒神さん拝んでないし、やらなきゃ…」という風な共通了解で落ち着いた。
実際はいくら考えてもこういうのはわからないんですけどね。

荒神さんは知ればとっても大切な存在なのです。
俱生神といって一生我々について回る神様だとされているのです。
といっても我々の根本識の神格化ですので。
実際は「大弁才天修義」に「荒神ほかになし、自身荒神也」という言葉がありますが究極的には我々は荒神と一つです。
だから赤ちゃんを包んでいるエナも荒神
これを昔はどこに埋めるかで運勢に影響があると考えました。今は病院で処理してしまうけどね。
実は荒神さんと聖天さんは表裏一体の神様です。
聖天様の方でいうならこれは眷属の傘蓋毘那耶迦です。
確か金剛摧砕天で四部大将のひとりですね。
エナは傘と同じ覆護の役割ですから。
実は荒神さんも聖天さんも我々の一生について回るとされていますが、それを意識しなけりゃ勿論ただ当たり前の人生です。
家のどこかに大当たりの宝くじがおいてあるのだけど、知らないと換金できないのと一緒。
だけど聖天信仰すれば俱生神として付き従ってくれるというんですね。
聖天様の信仰はやめるなというのも罰があたるんじゃなくて、実はここが本当の理由だと思います。
毘那耶迦はもともとは常随魔ですけど、聖天信仰を正しくすれば俱生神。
放っておけば常随魔と考えられたのでしょう。

いまひとつ忘れてならないこと。
実はこういう類の夢の話は他の人から自然と聞かされた場合、それを聞いた人間へも向けられたメッセージなのです。
これ夢の話の大事なところです。
私も荒神供しなきゃ!