金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

霊能者の先生の判断で・・・

かなり以前ですが、なにかとお世話になっている先輩のご住職から聞いたお話です。
この方のお寺は不動様の霊場としても有名です。
「家のお払い」だか何だかしてほしいということで依頼があった。
なんのゆかりもない人から突然の御依頼なので、事情を聞いたら日頃頼りにしている霊能者の先生が「そこがよい」といわれたらしい。
ほかのお寺はダメだったんだそうです。一回どこだかでしてもらったらしいんですが・・・
「ちゃんと払えていない。」という判断で、再度よそ探してもらった結果という。お化けでも出るのかしら?
多分、依頼者がここのお寺(お宮)ではどうでしょうか?」とか逐一お伺いしたのでしょうね。
「祈祷するのはいいですが、終わったら、結果をまたその霊能者の先生に伺って結果を判断してもらうんですか?」
「もちろんです。払えていないと困りますから・・・・・」
「…お断りします。」
「?!」
この方、私より年配ですが毎年、大峰山に行くくらいの人ですから、それはそういう祈祷のパワーがある。
昔、この方のお父様に教えていただきました。「大峰山修行に行くと行かぬでは祈願の効きようが違う。」とのこと。
それで本当にかなり御年になるまで見えていました。
私のようなナマケモノには及びもつきません。
まずそういう御年で山に行くというのがすごい。
「山は行場だ。山ではグズグズとくだらないおしゃべりをしゃべるものではない。」ともいわれていた。
いろいろ教えていただきました。
言葉少なで本当に立派な行者さんらしい方でした。
その息子さんの御住職も同じタイプです。
ここの判断は、たぶんその霊能者ははずしていないんでしょう。

でも御住職が断った理由はよくわかります。
そんな知りもしない霊能者の判断で「払えている」とか「払えてない」などと言われる筋じゃないからです。
これはその霊能者がどんなにすごい方でもへっぽこでも関係ない話です。
バカな人は「霊能者」に一々お伺い立てて結果まで寺へ持ち込んでくる。
それで「先生が払えていないって言ってましたよ!」と言われたらどうよ。
だから、お布施は払えませんとかね( 笑)
でもこういう人いるんですね。
もちろん霊能者を信じるのは個人の自由勝手です。
信じること自体は駄目とまでは言えない。
でもそれを人にまで信じろというのは無理な話です。
見るからに人相の悪い人格の低そうな占い師の判断をもとに、国の大事自体を左右していたという大統領閣下もいらっしゃるのでそういうのはその人の教養やステートとは関係ないのかもしれませんけどね。
見ず知らずの方から実は自分が信用している立派な人格者がお金で困っているから、あんたお金貸してやってくださいみたいなもんです。
そんなの貸す人います?
実際、その手の詐欺もありますよね。
よくある専門家の偉い先生が推薦している商品というのもそうです。
その霊能者を信用しているのは自分なのでしょう。どんなに偉い霊能者でも他人は関係ないんですね。
霊能者を信じるのがいけないのではない。実際凄い方もいますよね。
ただそれはその方の個人的な事情だということです。
それならその辺の個人的な事情までは持ち込まずにただ、「お願いします」でいいのでは?
ましてや、その結果に霊能者がどういおうが、もともと当の霊能者がそこの寺がいいといったんでしょ。
もし拝んでも「払えていない」なら、むしろ霊能者が判断を外したんだから霊能者に文句いいなさいといいたいですね。

拙寺も同様に霊能者の先生のお気に召すご祈祷まではしておりません。
大体、もしも私のとこへ行けという霊能者がいたとすればその先生は霊能者として?です。
私、全然大したことないんで。
その先生も大したことありませんよ。
というわけで、霊能者の先生に言われて…はすべて「家払い」ならぬ「門前払い」です