金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

歳徳神のお話

歳徳神さんというのは牛頭天王のお妃で、玻璃采女というお方だそうです。方位の凶神である御子神の八将神を生まれたといい、このお方自体はいわゆる空きの方、恵方にいらっしゃっていろいろな災厄を除く力がある。いわゆる恵方参りですね。

下の図は拙寺の歳徳神と八将神の図幅(江戸初期から中期位)です。
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ちなみに八将神はふつう八王子と呼ばれる。
東京の八王子もそれが名の起こりです。八王子権現というのは八将神の総体です。山王七社にも数えられていますね。
来年は壬の方位と言って北の西北よりです。
北北西よりちょっと北に寄った方ですね。
ものの本ではこの方は沙羯羅竜王の第三皇女という。
つまり竜神さんです。
沙羯羅というのは梵語のサーガラで海の意味ですから、ふつう訳して大海竜王といいます。法華経の八大竜王の一人。
この方の娘さんというと思い浮かぶのが法華経提婆達多品の八歳龍女です。
女人成仏とともに畜類の成仏も歌った有名なお経です。
この方が玻璃采女かもね。古来そういう説もある。
また同じように沙羯羅竜王の第三皇女と言われているのが善女竜王です。
男性の姿に書いてあるのもあるけど女性としてみた方が自然に思う。
この方は弘法大師の入唐求法を海上で守ったというし、その後、弘法様について日本に来て高尾の神護寺では清瀧権現さんと言われています。
元々青龍寺の鎮守つまり「青龍」なのですが海をお渡りになったので日本ではサンズイをつけて「清滝」になったという。
真言宗の守護神です。
関東だと高尾山さんや川崎大師さんにいらっしゃる。
でも天台の目黒の瀧泉寺や日光山にもお祀りされていますね。
広く人気があるのでしょう。
私の先祖の板山の宝満大菩薩も実は八歳龍女説があります。
玉依姫命で竜宮の乙姫さんですからね。
乙姫神社というと御姉さんの豊玉姫命が多いんですが、乙姫は妹の姫のこと。甲乙の乙ですから妹の玉依姫命の方が本当だと思いますね。
玻璃采女は冬至から節分までお祀りするのが正しいらしい。
つまり神を迎えるのですね。
それで年内に早くに御札を出しています。
希望の方には授与申し上げます。