金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

金剛杵

金剛杵には三鈷、五鈷、独鈷珍しいのは九頭竜杵や塔杵、宝珠杵なんていうのもありますが、いずれも密教者の浄菩提心を現すものです。
九頭竜杵なんていうのは大威徳明王拝む時に使うのです。
大威徳明王専用。
下の写真は海外のヤスモノです。一応ドラゴンついてます。

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元々は先がとんがっていてもっと大きな武器でした。おそらく武器としては三鈷まででしょうね。分岐がそれ以上だととんがっていても相手によく刺さらないから殺傷能力は低く、武器としてはあまり役に立たないと思います。
古い仏画の眷属が持っているようなのはほとんど三鈷杵でとんがっています。
しかるに行者が持つ杵の爪が中に向くのは多分に己の煩悩を打ち砕く意味。
密教行者の代表者は金剛薩埵。この方は大日如来から伝法受けた第一号です。
だから金剛薩埵は持金剛者ともいう。
でも押しなべて密教やる人は皆さま、持金剛者様です。
金剛杵は「浄菩提心」の象徴で、悟りを求めるために一切の障礙や艱難を打ち砕いて進む心の象徴です。
儀軌につねに手に所持せよというので金剛杵の指輪作った人もあるとか。見せてもらったことがあります。手の中で指輪中心にクルクルまわる独鈷で、中国武術の暗器(隠し武器)みたいなものでしたね。
時々開運グッズとしてもパワーストーンのお店や占い師の先生でも置いているの見ますけど、本来はそういう法具。
仏教者の端くれの私としては金剛杵もいいけど浄菩提心もよろしくという感じですね。
別にやかましいこと言いたくないけど、このまえ横浜駅で極めてガラの悪そうなヤンキーの若者がカバンにつけていましたけど、この人意味知ってるかなあ。もっとも浄菩提心のある鬼神や半獣神だっていますから、浄菩提心のあるヤンキーの兄ちゃんがいても、そこは全く不思議変じゃないんですが。()
正直、お金と地位がすべてのその辺の大手の会社のエリートだの政治家の先生よりは、心は仏道に近い人も多いのかも。