金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

都藍尼とトラニ―

八月分の祈祷も終わって、昨日の土曜日、法友と上野の東京博物館の特別展、タイの仏像を拝みに。
その中で釈尊の台座下に悪魔がいっぱい彫ってあったお像がありました。
中央にいる髪を垂れている女性は悪魔ではなくトラニ―という水の女神。
この神様は仏教の護法神で、洪水を起こして悪魔の軍を押し流したという。
それで悪魔たちは降参して護法神になったそうです。
それで思い出すのは女性行者の「都藍尼」。伝説の人ですが女性の身で押して、女人禁制の大峰の主峰「山上が嶽」を目指しますが、大嵐、洪水が起きて登れない。
それで龍を呼んでそれに乗って上ったけど、…ついに断念したという。

でも「都藍尼」って尼さんの御名前にしては日本的じゃないし、実はもとはこのトラニ―神のことでは?と思いました。龍を呼ぶなんて水神の属性だしね。
この方にまつわるものには「都藍尼反閇祭文」というのもある。
もともと反閇は偊歩(偊は前漢代の伝説の王)からでた陰陽道の歩行咒法のことです。
中世には神道とも仏教ともでどころがはっきりしないものは大概、陰陽道にほうりこんでしまうのですね。

お釈迦様の説法の象徴である石の大きな宝輪。祖の台座の四方にに夜叉が彫ってあって、上座部仏教では生命エネルギーの象徴としているらしいい。
古いものらしいけど、四天王もここから出たのかも。
お釈迦さまが法力合戦で異教徒を打ち破ったという伝説をレリーフにしたものもあった。原始仏教の昔から決めては霊験。理屈じゃないですね。
いろいろ勉強になりました。

その後には近所でやっていた「深海」の展示も拝見しましたが、こっちの方が断然混んでいる。なかなか前にいけないほど。
「…お釈迦様より深海魚ですかね。」
同行した法友が「そりゃそうでしょ!世間では。」
まあ、そうだけどね…。
写真はそこで買った「チョウチンアンコウのマグカップ」
「孤独?」「それほどでも」というのがいいですね。
ちなみに向こうに写っている茶色いモコモコはおミヨ(猫)ちゃんです。
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箱の反対側には「彼氏募集」とあります。この姿のチョウチンアンコウは実は皆♀なんだそうですね。
♂はメダカみたいの。ミツクリアンコウなんてのは♂が♀に食いついていつの間にか融合して一つの共同体になるらしい。離婚は死ぬまでなし。いいような、悪いような(笑)
なんと、繁殖期が終われば完全に♀に取り込まれて消滅するそうです。似たような話。人間でも聞いたような・・・。
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高いものじゃないけど普通は売っていないと思うので、大事にしないといけないです。

外に出たらいつの間にか大雨。
でもこの大雨でも隅田川は花火大会をやったらしいですね。ちょっと驚きです。