金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

加賀藩の家訓

加賀百万石の家訓に「角のある才人を用いず、丸き凡人を用いる」というのがあるそうです。
これは最近全くそうだなあと思います。
才能があってできる人ほど本当の顔は見えないものですが、とかくそっちを重用してしまう。これはありがちなことですね。
ところがそういう優れた人物と見えた人が、裏でとんでもないことをしでかす。ある時、ついに本性を現す。加賀藩はそういう人物を重用しなかったので明治になるまで生き残った一因になったんですね。

実はそういう実例はいままでもよく見てきました。
私自身もそういう事例にもあいました。
この家訓の話は私が大学生のころだか高校生のころだか読んだ本に出ていたのです。
なのにごく最近までそれを意識していなかったんですね。
バカだね。私は。
私みたいなこういう人間は学問しても本読んでも身にならない見本のようなものですね。


易学の教えでも人物がいまひとつよくないが優れた働きの者には褒美はやっても官職はやってはいけないというそうです。
ではどうやって人を見分けるのか?
思うに秘密の多いものは、どんなに優れていても信用してはならないと思うのです。
勿論プライベートというのは大事でしょうが、二言目にはそれを言い、私生活を隠すには隠すだけの裏の顔があると考えてもいいでしょう。
そういう人は決して重く扱うべきではないですね。
人を入れるなら誠実、正直をもって第一としなくてはなりません。
平気で嘘をしゃあしゃあと真実のようにいいくるめる。常に人の虚を伺う癖がある。
こういう人物はいかに能力において優れていても、うちに入れては懐に毒蛇を養うようなものです。