金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

妖怪って何?


妖怪って何だろう?
幽霊は妖怪とは違う。死んだ方ですね。
幽霊はいわゆる亡くなった方の残留思念です。
そういうのじゃない。
実は妖怪と言っても色々ある。
一番妖怪らしいのは異次元の生き物。仏教でいうなら八部衆とその仲間たちですね。
八部衆は八種類ですが、実はそういうカテゴリーは無数にある。
キッシャ、アバツマラ、ビダラなど法華経に出てくるだけでも随分そういうのがいます。どこの国でも似たようななのはいる。
こういう類は心霊の世界では自然霊と言いますね。異界の存在。
まあ、生前人間だったものもなくはない。

インドなんかは死に方で妖怪になる。
たとえばある地方ではダーキニーはお産で死んだ女性という設定があります。日本の妖怪である「姑獲鳥」といっしょ。
日本でいう神使も同じく広義の妖怪。
動物神霊や鬼神。我々とは違う生き物です。

自然霊に対して日本各地に残る妖怪、「なんとか婆婆」とか、「なんとか小僧と」か言う人間型のお化け、和服着たり、手に道具持ったりしていますね。
こういう人型妖怪は人間の想念から派生したお化けです。
だから着物とか道具とか人間の文化をまとっている。
こういうのは「集合無意識」の一種ですね。
先ほどの残留思念である幽霊が何年も語り継がれていくと終いに集合無意識になって「人型妖怪」になることもある。
だけど、そこにどんどん人の想念や恐怖が盛り込まれていくので終いにかなり人間離れした姿になる。残留思念の発達した妖怪は出る場所は決まっています。一種地縛霊的。まあそこから出発していますから。
こういうのは限られた範囲でしか活動しない。
だからその縄張りに入らないなら影響は受けない。座敷童とかはそう。
ですが七人みさきのように地域でなく別な条件で動くものもある。
こういうのは何か特定な物事に反応するかキーワードがあります。
たとえばある山からなんか持って還ってくると祟る。
そういうのは実際はそういう妖怪が介在しているケースが多々あります。
妖怪の影響はJ・フレイザー金枝篇で言っている「感染呪術」と同じ仕組みがそこにはあるんですね。
でも「類感呪術」的ではないんです。