金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

ある愚かな弟子の話

私の聞いたある愚かな弟子の話です。
断っておくけど私の弟子じゃないんですよ。
大昔の話です。私が小僧修行時代に聞いた話。
あるお寺で在家から得度した人がいました。
それがそこには先輩に年下の人がいた。
それが邪魔でじれったくてなんとかぬけがけしたい。認められて一番になりたい。
自分はなんか「優れモノ」だと思っていたんですね。
私に言わせれば思いあがたった「ただの馬鹿」ですけど。
だけどふつう、師匠は抜け駆けして教えるということをしません。
そのうちその人はだんだん焦れてきたそうです。
それでこともあろうによそにしばらくの間、今度は自分は仏教系神道だかの修行に行くと言い出した。
それをシャアシャアと自分の師匠に言って出かけたんですね。
やめていったんじゃないんですよ。
そこに在籍しながらよそに修行に行きますと言って嬉々として出かけた。
なかなか教えてもらえないので手っ取り早く術を知りたいんだろうけど、ふつうはそれだけで当然「破門」です。

なぜって師匠がなかなか教えないのは順序や機根を見ているからです。
それでじれてよそで習ってきますっていうのはもうそれだけで師匠の指導を頭から認めないのと同じですね。
失礼この上なし。師に対する大変な侮辱です。

でもその人は悪気はないので平気でそう言っていったそうです。
手に負えない馬鹿な奴はそういうもんだね。
この人結構年いってるのにバカはバカです。人としての教養がない。
師匠にかくれていくなら確信犯だから当然、即破門ですが・・・。
なんかの趣味のお教室か塾に行くのかなんかと勘違いしてるんですね。
複数、通えるもんじゃないでしょ。師とは一人のみです。
師匠の紹介ならいざ知らず。
そういうの判っていないやつ意外と多いね。
それでその人なんかひどい目にあって泣いて帰ってきたらしい。
その帰ってきたところで「そりゃ大変だったね。でももううちにも来ないでね。」とその師匠からも言われた。
当たり前ですね。
その人バカだから最後までなんでかわからなかったようです。
師にもいろいろある。
初めから「ふざけんな!お前は破門だ。」と怒る人。
この師匠のように機を見て物申す人。
だまってもう何ももうそいつには本気で教えなくなる人。
いろいろだけど絶対アウトです。それは同じ。
私的にはどこ行こうが自由だけど・・・まず辞めてからにしてもらいたいね。
それが筋目。
私やめたい人を引き留めたことないので引き留めません。

だから相手が怒らないからオーケーではないんだよね。
そういう意味では怖いですよ。
この世界。
残念ながら在家出身者に多いパターン。在家出身者の面汚しです。
時々「在家出身者は大嫌い‼」」という坊さんがいるけどわからなくもないね。
私も在家の出ですからそういうの、耳が痛いのだけど・・・。
時々うちにもまだ、よそで駆け出しのくせに教えろという人いますが、じゃあ師匠に許し頂いてくださいと言っています。
これいうのを若造のくせに本気にして師匠に言うやつは大バカ者だね。話になりません。
もっとももう一人前の坊さんになってりゃ訳は別ですが・・・