金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

水の准胝尊


もう一週間くらい前の夢の話。
寶瓶で水を頭から灌がれる夢。
お顔は見えないけど瓶を持った手が出てくるんです。ほかにも数本手が見えるから人間じゃない。
ああ、准胝様かな・・・確か瓶持っていられたな。
それで起きてから調べたらやはり瓶持ってる。灌澡瓶で甘露水を衆生に灌ぎ、灌頂を与えるという。
すると灌頂かしら。するとこりゃエライ夢見たもんだ・・・。
まあ、それともお前かなり汚れておるぞ!というので洗ってくれたのかな・・・たぶんね。そっちだわ。
判りませんが色々考えます。
でも准胝様そのものがまず三昧耶形といって働きを象徴するものが水瓶なのですね。
だからこうやって水を灌ぐのはもっとも准胝様らしい。
准胝鏡だってある意味で水そのものです。
水は五智を兼ね備える。
法界体性智、大円鏡智、平等性智、妙観察智、成所作智
大日如来の五智すべてが水にはある。
それでだかどうだか、准胝仏母も五智の宝冠被られています。


水の五徳といいます。准胝様は水をもって象徴されたみほとけだから、海中から出現する。水の精である龍王たちを従えるのもそのためでしょうか。

イメージ 1
        写真は法友からいただいたお御影、海中出現。左右に二竜王の姿が見えますね。


儀軌では壇の中央と四方に水瓶を置けという。悉地成就すると動く(回る)という。
つまり法験が成ると動くんです。
まさかいくら拝んでも実際回るとは思わないけど。まあ、見た夢もそんな感じのことかもしれないなと思う。
つまり段階的な一種の悉地か?
でも夢で悉地成就というより、悉知成就の夢を見ただけかもしれません。
たぶんね。あまり卑屈なこと思わないけど、あまり生意気になってもいけないですから。(笑)
「准胝様かあ・・・」
今までそんなに意識したことなかったんですけど・・・。
でも、延命というとどうもこの方を頼ってしまう。もう何十年も前から真言だけは月例の十一面供の中でも聖天供の中でも常に唱えている。
在家の徒弟のできる修行で出てきたのが「准胝独部法」
今回はそこからは始まった感じです。
なんか、でも、ここへきて思わぬ験を感じるご本尊と出会って喜んでいます。

これは余談ですが、中國仏像なんかでは、頂に化仏の乗ったお姿の准胝様も見ますが、これは日本の伝承ではないことになっています。
実はこの化仏がないので准胝は観音じゃなく仏母だというんです。
これは台密と真言の廣澤方の見解。
一方、准胝は観音だと主張する流派、東密小野方では、化仏はなくとも准胝の讃にアバロキティシュバラという観音の梵名が出てくるので観音というそうです。歴史的にはそういう。
まあ、最近はその辺は現実には流派の別なくあいまいです。
仏母准胝観世音という折衷型で呼ぶ場合もありますし。