金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

金剛心易


金剛経の大家濱地天松居士の秘書「金剛心易」
天松居士はさる方から土御門流の心易を習ったといいます。
江戸の中期には暦の間違いが発覚し、陰陽寮は大いに面目を失い、元来極秘であった土御門流の技術も一部が流出したそうです。この方はそんな伝承者の一人だったのでしょう。
その師より「これは一代ものでいい。あとは滅ぼせ」とまで言われましたが、これを惜しみ、居士は元来、江戸の易聖「新井白蛾」の易に造詣あり、独自の研究をもって「金剛心易」を編み出しました。

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この本はその要儀を明かしたもの。金剛経要品を読誦ののち、占卜します。
心易というのは筮竹、算木、賽子など用いず、即座に周囲のあり様から立卦するもので極めて高度な易占技法です。
普通は月日や時間を対象にして行うことが初心者でも可能な方法とききます。
宋代に邵康節という人が大成したといいます。
この先生はそういう月日などでなく、梅の枝で相争う二羽の鶯の様子から、夕方に起こるであろう、若い女性の骨折を予見したといいます。
この故にこの術は世に「梅花心易」の名があります。
ですから時間で占うのは便法であり、究極的にはそういうものなのかもしれません。

因みに私などは周易や断易でもいまだ満足に立てられず、この域は遠く及びません。(笑)
この書は天松居士の弟子である林天朗居士より頂いたものです。
私は20代に天朗居士より、今はなき池上の弁天堂で金剛経の教えを学ばせていただきました。