金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

メタポジションの仏画


准胝様の仏画です。有難いことにお施主様が付いておかげにて入手いたしました。
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そんなに大きい絵ではないですが、白い羯磨衣を着た美しい准胝様。
紺髪を垂れ五智宝冠をつけた仏母としての姿。
難陀・跋難陀が蓮華茎をささえ天空に二天女が舞うところまではよくあるデザイン。

さらにはこの絵には海には敬愛の象徴オシドリが遊び、求縁。敬愛にも強い呪力を発揮するとみられる。
さらに変わっているのは手前に描かれている女性像。
香炉をささげ持つのは女行者か、はたまた垂迹の吉祥天女だろうか?
「行者、すなわち閣前にありて云々」という「道場観」が往々にしてあるが、行者自身が自分を俯瞰する構図。おそらくこの図幅は女性が祀っていたのでは・・・。
メタポジション的ですね。

なお、余談ですが准胝仏母はチベットでは一説に法身普賢とヤブユム像を構成するされているらしいです。普賢菩薩の奥様なのですね。
チベット圏には頭上に仏陀を頂く尊像もあるようですが、これは阿弥陀ではなく、どうも釈迦のようです。頭はしばしば螺髪のお姿もあり、そこは観音よりは如来部に属するイメージが強いようです。