金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

孤老恤之


昨夜一座、尊星王様拝んで「北辰妙見菩薩神呪経」をよんでいたら「孤老恤之」という文句に行き当たりました。
これは「孤老これをアワレむ」と読むのだけど、この恤というのは同じあわれむのでも、ただ「気の毒」だと哀れむのと違い、救済の意味があるんですね。
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孤老といえば孤独な老人、これからはそういう人増えるよね.勿論私もその仲間入りは必定です。この言葉注目してもっと拝まないといけません。
老人大国日本としてはね。

妙見尊星王はこのお経を読むと「羅衛国界 守護国土」とあって、国家規模の救済をするお方「不枉民物」といって民のものを私物化とするような悪い国王は「我能代此」取り換えてしまうぞ!というくらいです。
かなり政治的なお方。
やはり政治の力でないと大規模な「孤老恤之」も難しいかな・・・

このお経は日本でできたのだけど、実は「七仏八菩薩大陀羅尼神呪経」というお経の略出ですから内容はほぼいっしょ。
だから内容的には多くの密教の経典同様中国撰述のお経ということになるのです

この中で恭敬三尊という言葉が出てきて、日本の解説書は「弥陀三尊」としていますが、そうではないですね。「三宝」の別名だと思います。

阿弥陀信仰と妙見信仰はその出発に「からみ」なんかないので。

妙見さんには諸天帝釈が付き従う。事相的には天部なのに、神々の王である帝釈が眷属とはかなりのオオモノですが、こういうところから吉祥天本地説が出たのでしょうね。
吉祥天曼荼羅では左右に梵天、帝釈が眷属としていますから。
実際は吉祥天は第八地つまり不退転地(境涯が落ちないステージ)の菩薩つまり大菩薩なんですね。外見は天部で内証は菩薩。
天部でもそういうお方が結構いて、そういうお方は通常の天部と異なり、金剛鈴鳴らしたりする。
つまり如来と菩薩同様に深く禅定に入っておられるので起こすわけです。
目覚まし時計みたいなもんです
妙見尊も星の神だから天部ですが内証が大菩薩ということで、妙見大菩薩というんでしょう。