これはある物語です。
中東のある国で王さまが、宮中に市井の賢者で知られたハッサンという男を呼びだして訊ねたそうです。
「ハッサンよ、お前に訊こう。正義と財宝とがあると思え。そちはそのどちらを取る?」
「王様。わたくしめは財宝を取りましょう。」
「なんと!そなたは正義より財宝が価値があると申すのか?・・・」
王がいぶかしく思うと・・・
ハッサンはうやうやしく「王様に申し上げます。王様は大変な財宝をすでにお持ちです。このうえ王様に大事なものは何よりも正義でなくてはなりません。」
「しかし、比べるにわたくしめは貧しい庶民に過ぎません。正義の志はあってもお金がなく、なにもできません。だから財宝こそ大事なのです。」
私の中国語の成績は散々でしたがこの話はノウミソの貧しい学生の私の価値観を大きく揺さぶりました。