金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

「だからおめえはバカなんだ!」

手わざに関してお医者さんまでもが紹介してほしいというN先生は腕は確かでした。
そのいっぽうN先生の口はめっぽう悪い。

だがいっている内容そのものは的確でした。
よく私も「だからおめえはバカなんだ!」としかられた。
でもいい方は乱暴でもどれもが納得でした。
 
ある日、治療に来た18,9の女の子が何だかくだらない冗談というか気に障るような軽い口をきいたらしい。
それで案の定「お前はばかか!」とやった。

そうしたらその女性が「先生、バカって何です?失礼でしょう。私は今まで親にだってバカと言われたことはないんです。謝ってください。」と逆に切れた。
そしたら先生は「それはそうだろう。お前みたいな非常識な人間を育てた親はお前よりもバカだからだ。そんな馬鹿がお前をバカと言えるか。馬鹿!」とやった。
その女性は絶句してしまった。
 
また、ある時、勝手に人を誘ってきた人がいた。
そうしたら「うちは開業しているわけじゃない。俺が習った術を忘れないとうに知り合いを定数で、見てやっているだけだ。誰でもやるわけじゃない。」といった。
そこへもってきて「自分がまだ施術中でなおってもいないのに勝手に人を連れてくるとは一体何事か」と叱った。
「だって、先生にやってもらうと治るから…」とその人はまるで反省がない。
すると、先生は「おい、そっちのあんた。どこが悪いんだ?やってもらいたいのか?ならあんたはやってやる。
あんたは騙されて連れてこられたようなものだから俺にも責任がある。気の毒だからやってやる。」
だが、連れてきた人には「あんたの枠はこれでなくなったから、もう来ないでくれ。」といったそうです。

人を連れてきてやったというような態度は喜ぶどころか真逆でした。
私にもよく「アンタの紹介だからやってるんだ。」と言われ、逆に恐縮した。「ほかは知らない人間にはしない。」とも言われた。
 
よく宗教などで沢山、人を連れてくるとステージがあがる団体があったり、幾人も紹介しているからとボス気取りの人もいますが、私が「自分が信仰をわかりもしないのに布教するのは駄目。」というのはこのN先生の考えがどこかで生きているせいでもあるかも。

よその教団でそういうやり方に慣れた人は私が特別にそういう人に目をかけ大事にするでもなく、逆に注意するので不思議に思う人もいるようです。
 
それと、謎かける人はキライでしたね。
ハッキリ頼めばやってくれましたが、ただそうやって忖度を待っていたりすると「そうかい。そいつは大変だ。じゃあ早く医者にいったほうがいいだろう。」というのみでした。

これも私はそうです。
何かしらあって言ってくる人には最終的に「それ拝みますか?私にそれを言われても拝む以外何にもできませんので。」とそう確認します。
ただの長話などは聞いてる暇はないですから。

口の悪いN先生の言葉は私のうちに生きています。
だから私も口が悪いのかも。そんなこと言えばまた叱られますね。