金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

鬼も悪魔も我が身なりけり。


こたびは荒神供を真言宗の能化さまをお呼びして伝法頂こうと思っていたら、希望者が多く便乗でご一緒にということで10人以上の伝法会となりました。
能化さんは心理療法を長年学んでいるのでその説明も心理学でわかるようなお話、大変面白い。

根本煩悩の神格化、三宝荒神は実は我々が押しこめている我々自身のイメージ。
ユング心理学でシャドウと言われるものだというお話。
納得いく話です。
このシャドウ、見えないところに押し込めておいたら済むわけじゃない。
そういうやり方だと暴発する。
いいかえれば鬼も悪魔も必要ということ。
そう言えば涅槃図には仏弟子に混ざって動物や魔物、怪獣のようなものも集まっている。そこに差別はない。

昔、信貴山の野澤管長様に「羽田さん。密教はお化け拝まなあきまへん。刀八毘沙門天、手が仰山、顔も仰山。言うたらお化けや。
でも、くさいもんに蓋はあかん。」とご教示頂いたことがよみがえる。
この話もシャドウと向き合えという解釈をすればよくわかります。
人間なんて全部きれいごとだけで済むわけないよね。
醜い自分、恐ろしい自分の正体と向きあって四つに組む。
それが大事です。