金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

十六善神のお経


「十六神王経」珍しいお経ですが、実は陀羅尼集経の略出です。     
ちゃんと陀羅尼集経巻第三と書いてある。                   
            
イメージ 1

実はこの十六善神の真言、理趣分読むときに唱えますがこれは大般若波羅蜜多経のなかにも大品般若経にもない。密教経典の陀羅尼集経からとったものなんですね。真言に対応する印もすべてそうです。
だから密教立の理趣分作法は陀羅尼集経をもとに組み立てられている作法なのです。
だから密教立でするならやはり四度加行はしておかないといけない。
それでないとルール違反になる。
顕教立てならそこまでしなくていいけど、基本的に普通に読むということになる。
その中間を取った修験立てもある。
密教においても大般若経は大事です。
蘇悉地経にこの法が成就しない場合は大般若経読めという。
これをもって日蓮さんは密教は超八醍醐の法華経に勝るどころか,爾前の経である通教、般若経にも劣ると言われた。

でもこれは助法です。つまリその場合は神分をしっかりやれということで、般若の智を喜ぶ天部や外護の神の力を借りるのですね。法自体の上下じゃないんです。私はそう理解している。

さて、その理趣分自体には十六善神は出てこない。
大般若経は四処十六会と言って四か所で16回に分けて説かれたという。
理趣分はその第十に当たる。
十六善神はこの各々十六会の説法を守ったんでしょうね。
ともあれ有り難い真言でこのお経はその功徳を述べたもの。
七編となえればたちどころに十六善神は集まってくれる。
頼もしい限りです。
だから理趣分修行したといっても十六善神の名前や呪文がなえられないようレヴェルは話にならない。この間当然知っているべき行者に転読やらそうとしたら逃げた。
十六善神の名前や呪文を知っていないとできない。
こういうのはもう、偉そうに言ってもそれだけで何も修行していないのがわかる。
話にならない。
108辺となえれば病人に触れて直すこともできると書かれている。
だからとても大事。色々功徳がある。

そういうの「フ~ン、昔の人は色々考えたんだねえ」・・・そういう風に馬鹿々々しいと思えばそれまで。
でも・・それをばかばかしいとも思わぬホンマのバカだけが至る世界があるんだね。(笑)