金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

二つの星祭



例年ご案内している金翅鳥院の星祭、かたや蒼龍院さんのヤタガラスの星祭。
二つの星祭は一体どう違うのか?と聞かれました。
これはそのまま、本尊の違い。

私のしている尊星王供はもとは三井の御修法(宮中のお祈り)と言われるものの簡略版。
星の女王である尊星王の命令で凶星も善星も吉祥に変えるというもの。
即ち凶星は凶を納め、善星は威光を増す意味があります。
尊星王は吉祥天のということになっていますが、密教では吉祥天は諸天がその美しさに讃嘆するというので天部の供養にはよくその真言を唱えます。星は遊虚空天ですのでやはりこの理が通用します。
つまり、吉祥天女のやさしさ、美しさによる調和であり柔の心の星祭と言えましょう。また御札は九曜別に九種類あります。祈祷も九曜星それぞれで違います。悪い星程強く祈ります。
このためご志納料は九曜の当たり星により悪いものは高く、良いものは安く設定しています。

これは蒼龍院さんの御札 かっこいいですね!
御札お守りデザイナーのプロ、鈴子さんのデザインです
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ヤタガラスの星祭は太陽の光で凶星を圧倒する。吉星の光を倍加するというもの。
さらにヤタガラスの本地・摩利支天さまは天の扇で我々を災いや敵から覆い隠してくれます。
もともと軍神の摩利支天。ヤタガラスもまた神武天皇の軍を導いて東征を果たさせました。
力強く悪運のなかを切り開いて進む意があります。
だからヤタガラスは「道開き」です!
こちらはいわば柔和に対する剛であり、調和に対する悪星調伏の星祭です。
こちらは星の吉凶により値段設定はしていません、凶星でも善星でも四つの内の好きなお値段でお願いできます。

どちらが良いどちらが悪いはないのでまあ、イメージ的にぴったりくる好きな方でいいと思います。勿論両方しても結構でしょう。


拙寺のヤタガラスに乗る摩利支天。本来は神鞭法という悪魔や悪霊調伏の本尊。悪星ものぞく力があります。太陽を背負ってます。
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