金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

既に信仰はあるのなら・・・


あるおうちの奥さんから「主人が倒れたのでご祈祷して欲しい」というお電話。
講員さんではないです。
実はこの奥さん以前にもご主人の病気を心配されてお電話くれたのです。
その時私が「ご主人御自身は信仰をされますか?」というと「難しい」というので話はそのまま流させていただいた。
「ご本人が要らないということはできませんから。」と申し上げた。

それでも今回は倒れたからなんとか・・・という。
まあ、そのお気持ちはわかります!
で、再び話を聞くとどうも信仰がないのではなく、その逆だそうです。
すでに菩提寺にあるご本尊様を深く信仰されているのです。それでご本人は「自分は自分で信仰あるし、心配いらないよ」とおっしゃるそうです。
「ならそれでいいでしょう。」と申し上げました。
私の仕事は本人に代わって祈願を本尊に伝える仕事。
でもご本人がアクセスできる本尊があるというのであれば私は無用の存在です。お呼びじゃない。
「それはやめてこっちにしなさい」なんて言うのは意味ない上に失礼極まる話ですから。
信仰を尊重することは人の自主自決の思いを尊重することと同じと思うのです。
勿論、奥さんがすでに自分の信仰があるなら、その信仰対象にご主人の健康を気遣い拝むことは否定されることではないけど・・・。
そこは夫婦。
奥さんがにわかに私なんかに頼むのでなしに、すでにご主人が拝んでいるものにいっしょに手を合わせるという方がいいでしょう。

自分がしようとしていることが果たして信仰なのか?呪術なのか?の分かれ目はそこにある。