また、調伏には調伏専用の尊像もある。実際、同じ天尊の像でプラスの祈りとマイナスの祈りをするのは難しいからだろう。
勘違いしては困るのは正邪の別なく加勢するのはあるべき調伏ではない。
どう見ても悪いというものを凝らす以外には用いない。
それを調伏という。
逆に邪なものに加勢すれば本尊が離れる。
二度と正道に立ち帰れなくなる。それは法の上の犯罪者になることです。
たとえ、相手が悪かろうがただの恨みによる報復としてすることも許されないのです。
そんなことになる前に手ひどく本尊に叱られることがある。
色々障礙が起きる。あるいは修法上考えられない怪異が起こる。
そういうのを壇上魔事という。
「ただちにやめろ!」という警告です。
こういうことがあるうちは行者は人としての徳分がまだあるということです。
いま一件ある争いごとを祈っていますが、これはかなり悪質で相手ははじめから騙すつもりで来ている。当事者は騙されて家族を捨てようとしている。でも祈るほどにその正体がどんどんばれてボロがでてくる。本人も支離滅裂なことを言うようになる。
怖いものだと思う。
ある霊感者に調伏天を天覆のままに「この聖天さんどう感じる?」と聞いたら即座に「この尊天はあたたかな慈悲が感じられない」といわれた。ま、そういう反応でも不思議はないですね。