恐怖映画ではありません。(笑)
風葬して数年目。遺族が骨と化した遺体をきれいに洗っておさめる。
そういう沖縄県の離島に残る葬送文化がテーマです。
主演は奥田英二さんということですが、精彩を放つのはその姉の役「のぶこ」を演じる大島蓉子さん。
むしろある意味、本当の主役だと思う。
この映画の言いたい大事なことはほとんど「のぶこ」の口からセリフとして語られています。
この映画はなかなか良かった。
映画の主張は最後に語られる「先祖は自分だ」というセリフに集約されていると言っていいでしょう。
これだけ聞くとちょっと意味不明な言葉ですがつまり、その時代の自分が先祖、何故なら自分の先祖がいないと自分もいるわけないのですから・・・
親と子、先祖と子孫、不可分の命の縦糸がそこにある。
そしてまた新たに生まれる命。
ラストの沖縄方言「うちなーぐち」で歌われる「童神」の歌もよくマッチしていたと思います。
それどころかお坊さん、とりわけ葬送儀礼を扱う僧侶は見ておいても絶対損はないと思う優れた映画です。