金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

絵は語れない

霊狐さんに言わせると仏についての議論はバカげたものだという。私が一生懸命語るほどに聞いていてそばで嗤うんです。

「秘密荘厳の世界、真如の世界はたとえば絵と同じことだ。
お前は絵を説明できるか?
説明はできてもそれで絵の素晴らしさは伝えられようか?
絵がわかるにはそれを見るほかはない。
名画を説明で聞いて判ったと思うものは愚か者だけである。
万言を尽くして語りえぬ。
故に絵は語るべからず。見るほかに手立てはなし。
仏の世界もそのようなものだ。」

なるほどね。
だから弘法様は曼荼羅を見るほかないと言われたのだろうか?


以前、何を思ってか「私、曼荼羅について勉強しなきゃいけないんです。」という素人さんがいたけど「勉強」なんかしてわかるのはイコノロジーの部分だけですね。
少なくとも仏道の上からは「勉強」する対象じゃない。
だから絵画で表現されているのね。

まして絵そのものも見たことのない者同士がその絵について議論することは何も意味はないかもしれないね。