金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

密教のフィールド

ヒプノセラピーやそれに類するスピ系のワーク・NLPモドキなど・・・
数々のワークでは心の中の非日常世界にアクセスするのに「行く」という手法をとる。例えば過去世に行ったり、霊的世界や異次元に行ったり・・・

それに対して密教は行くではなく、呼ぶというやりかたを使います。
勿論いきなり、ただ呼ぶわけじゃない。
自分を荘厳結界し、道場を荘厳結界して、そういう場を作ることに時間を割く。行の前三分の一はこればかり丁寧にやる。
そしてそこへ呼ぶんですね。
勿論本尊のいるお浄土をイメージはする。でも自分はそこへ行かないで車を迎えにやるんです。
自分はお迎えに行かない。軍荼利明王などの弁事の明王にお願いする。
読んできて色々接待して要件をお話してお返しする。
台密の場合は車の出発に合図の鈴を振る。
それでお帰り頂くという構図。
曼荼羅供なんかだと本尊が複数だったり、もっといろいろ複雑ではあるが基本は皆これです。
てっとり早いのはヒプノみたいにこっちが行く方が早い。
でもそうしないのはなぜか?
密教では場を作るのが大事だからです。
場がただの場所でなく、道場という密教のフィールドになって常に機能する。
そこが常設のフィールドです。
無論、そこに願主が来ないでも祈願はできるはできる。
でもお参りに行くのが大事なのはこの場に触れるためです。
そうしてそこにお参りに行く人が行くたびに場所も参拝者も強化されるんですね。
だからお参りは大事なのです。

密教は神仏をこっちに、現場に引っ張ってくる。そういうことです。
端的に言うなら潜在意識の中で潜在意識の事をいじるような真似したって、たいして変化期待できないでしょうということです。