金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

二十八宿占い 演禽斗数三世相

私の専門は二十七宿を使う密教占星術ですが、世の中には二十八宿を使う方法もある。

でも、いわゆる高嶋暦に出てくるような二十八宿じゃない。

 

「演禽三世相」台湾本を取り寄せて再度、勉強しています。

これ、単純な占いだけどザックリは当たっている。

これ道教っぽいけど三世相は仏教的用語です。技法はともかく思想的には仏教のものとともいえる。

 

この技法はホロスコープ的に言えば太陽の位置を黄道12宮でなく二十八宿で割り出すものでそれと木星の位置である12支との関係を述べています。

この占いでは私は星宿です。星禽は馬。「亥宮 四野(四方の野原)より春風至る」で順運のようです。十二支に各々事物や状況が象徴されている。面白い。

 この本では去年は犬にかまれて大変だと有ります。その前は酉年で家の軒下のわずかなエサで忍ばなければという。確かにいい年じゃなかった。

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下の写真は宋刊本と有る同書の江戸時代初期の書物。

レ点がついてますから和書です。

本は同じですがかたや1500円、こちらは10万円前後の本です。

詳しく書かれた秘伝書や近代の術者の秘蔵書ならいざ知らず・・・

有り金はたいてこんな「判事もの」みたいなもの買う「物好き」はわたしくらいのもんでかね。(笑)

大同小異でこちらは少し文が違う。「亥の宮 一路春色動く」とある。

両方合わせ読むと難解なところも意味が通りやすい。

だから、あえて買う意味はありました。

たとえば、子宮のところには和本は「湖中に紅水を渡るに向かう」で意味不明。

台湾本のほうは「湖中に向かって忙しく水を渡る」でよくわかる。

お互いにそういうところが多々ある。翻刻ミスでしょうけどね。

写真製本の同じ場面。これがのちに内容は換骨奪胎して「永代大雑書三世」というような江戸時代にはじまる暦本になります。

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徐々にまとめておきます。