惟宝蓮躰という江戸時代中頃の真言のお坊さん。この人は有名な浄厳さんのお弟子ですが、真言礦石集という面白い仏教説話集を書いています。
そのなかで蝦蟇の恩返しの話が出てくる。
拙寺のミヤコヒキガエル
大阪にある老いた尼さんがいたそうです。
いつも蝦蟇が湯殿の下から庭に出てくるのを子供らが捕まえ、面白がって縄でつないで引き回すのをかわいそうだと思い、取り上げてはもとの湯殿の下に入れていた。
かくするうちに、ある年の冬、この老尼は不思議な夢を見た。
くだんの蝦蟇が夢に現れ「もう三日のうちに火事になるよ。自分は早く逃げるけど、あなたも早く逃げなさい。恩に報いたいのです。」と語った。
それで尼さんは逃げる準備を始めた。まず、家財道具が火災にかからないようせっせと土蔵に入れ始めた。周囲の人はいぶかしがったり嗤ったりしたが、周囲の子供にも仔細を言わずに早く用意せよとだけ教えた。
かくしてや夜半火が起きて果たして蝦蟇の言うようなこととあいなった。
火災を免れた尼さんはのちになって子供らに本当のことを語ったという。
そうして家を建て直したらまた蝦蟇が返ってきた。尼さんは前にもましてこの蝦蟇をいつくしみ大事にしたという。
蓮躰さんは蝦蟇は小蟲の類だが動物にも大小に関わらずみな相応の神通力がある。災いのある家からは蝦蟇は逃げ出すというと書いている。
まあ、こうした小動物は可愛がり、慈悲をかけておくことも大事だと思いますね。
逆にいじめるのが好きな人は必ず相応の罰がある。
以前シロアリ駆除の毒で床下に住む大きな青大将が死んでしまった。
それで継続を言ってきたが「もう、二度とやらないよ。」と言った覚えがある。
理由を聞かれたので「蛇が死んだじゃないか!蛇は家の守り神だぞ。」というと怪訝な顔をされた。(笑)
三度目に来たときは「以前に比べ全然、毒性が薄いので蛇は死にませんのでやらせてほしい。」というのでやってもらった。
でも、シロアリも死なないかも(笑)