十一面さまについて真言宗の永田覚範長老が
「軍持ってあるやろ。十一面様が持ってる瓶みたいなやつな。三昧耶形はあれや。
あれ軍隊に持っていく水筒やで。だから軍持や。
もう戦のさなかでどうもならん。喉乾いて死にそうだという時の水筒。
ああ、もう駄目だ。そんなときに水のんで助かった~!
それが十一面様なんやで。」
と説明してくださいました。
なるほどと思いました。もともと軍持は布薩会などで用いる首付きの水瓶。
クンディというインドの言葉の音写で軍隊とは無縁だけど、長老は独自の解釈をされた。
でも、とてもいい。
いい得て妙です。
一言すると十一面さんが持っているのは華瓶じゃなくて軍持が正しいんですね。
数珠と施無畏の手と軍持と蓮華を持つ。だから四臂像が本当なんですが、日本のお像はほとんど二臂です。うちもそうですが(笑)
稀に四臂も作られますね。拙寺の四臂像。儀軌のままに右手は数珠、施無畏、左手は
蓮華と軍持を持っています。小さいお像です。