金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

悪夢を退ける大威徳明王

 

松江先生から悪夢のおはなしが出ましたね。

密教の世界では悪夢を見る方には大威徳明王のご真言がいいとされています。

大威徳明王は水牛に乗る。あれは俗世の海から涅槃の岸に上がったり、また俗世の海に溺れる人を見つけて施な背中に乗せて救ってくれる表示だという。

水牛に乗っている明王は六面、六臂、六足で六波羅蜜ということになっているけど。私にしてみれば前六識ともとれる。

さすれば水牛は末那識以下の深い領域の表示。

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観方を転じればこの水牛は我々の潜在意識(第七マナ識)と現在の意識を行き来するともいえる。

だから末那識の海の中の悪いものを除いてくれるんですな。

それで大威徳明王の御祈祷は威力を発揮する。

そうなんだと思う。

 

大威徳明王は調伏の極めて恐ろしい明王ですが、それはこの尊を祈れば相手を潜在意識のなかで意識にのぼらぬままに水面下で相手を調伏してしまうからなのかもしれない。

 

故に大威徳明王の調伏は相手の心に予期せぬ変化として現れるものです。

悪夢を除くのも同じ構造に違いない。

 

悪の種(異熟)が現実に目を出さぬうちにつぶしてしまうのでしょうね。

 

人はよく海を眺めるますよね。

・・・何故なんだろう。

私たちがなんとなくじっと海を眺めているときはわれわれの広大な意識をながめているイメージなのかもしれません。

 

悪夢見る人は医学的処置とともに「オン シュチリ キャラロハ ウンケン ソワカ」と唱えましょう。