金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

黄金剛童子 図幅

鬼神たちが集まっています。なんだ。なんだ?って感じ。

象頭毘那夜伽や猪頭天。四臂の夜叉もいますね。輪宝を持つお童子さんは誰だか不明。

猪頭天さんはラフ根(大根)と歓喜団らしき物持ってますね。象頭天と合わせて歓喜天でしょうか。

f:id:konjichoin:20191208172716j:plain

頭上には天高く阿弥陀様がおいでです。この怖いお顔の方は果たして?

f:id:konjichoin:20191208173056j:plain

そう、金剛像童子様ですね。蔵王権現みたいですが両手を左右に開くところが違う。

金剛杵をあげてる手も権現さんは右手です。金剛童子さんは左手。

学者さんには金剛童子に対する優位性で左右が逆なのだということをいう人もいますが、私はチベットの金剛手菩薩像が蔵王権現の造形に極めて強い影響を与えて成立したのだと思っています。青童子といわれる金剛童子は同じく金剛手菩薩の化身ですね。

f:id:konjichoin:20191208173149j:plain

これは阿弥陀様の変化身・黄金剛童子です。三井寺ではとても大事な存在。

下にいるみなさんはご眷属ですかね。まるで神供の図幅みたいです。

三井寺の重文の図幅と同じ構図です。三井寺のものはかなり古いので見た目は真っ黒です。この図幅は室町時代というけど…まあ、きれいだし江戸中期以降でしょうね。

でも結構良く描かれています。ご本尊はもう少し黄色くていいとも思いますが・・・

今回この画像は古書店の抽選で縁あって拙寺においでになりました。