金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

最勝王経・四天王護国品で鬼門除け

例年鬼門除けは霊符を作って入れますが、今年は純仏教的に「毘沙門天供」を修しかねては「金光明最勝王経」を読んで、鬼門除け。裏鬼門除けとします。

比叡山が都の鬼門を守る霊山とし重んじられてきた話は有名ですが、伝教大師が比叡山に鬼門除けのために勧請したのが毘沙門天です。

毘沙門天の修法は今でも鎮将夜叉法として王城鎮護と天下の泰平を祈る比叡山の大法になっています。

仁王経によれば鬼神が乱れれば天下乱れると言います。要するに世の中に良からぬことが大きく起こる前には必ず見えない世界で鬼が暴れているというのです。

それを鎮めるのが鬼の首領・毘沙門天の役割です。

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さて私が毘沙門天に読むのは「四天王護国品第十二」です。10巻31品の内。第6巻は全部このお経という大部のお経です。

これは林天朗居士の話ですが・

金剛経を提唱した濱地天松先生は観音経と金光明最勝王経をとても重んじて、その守護神・金剛尊天(白浄水金剛神) 観世音 弁財天 一如の信仰をされていたと言います。

上野の弁天堂の浴酒には必ず、お堂にお参りして御宝前に最勝王経の全巻読誦をされたそうです。

濱地先生は僧侶ではなく居士でご職業は政治犯の弁護を中心にする弁護士でしたが、そういう弁護活動をされたり裁判に臨んで特に祈願に読まれたのが「四天王護国品」だったそうです。

濱地先生は「四天王護国品」の力は大は天下国家、小は家庭や個人をも守護すると言われていたそうです。

 

つまり個人の家庭はいわば小さな国家であり、そこに経済の安定した営みや平和・安泰が必要であるということでしょう。

 

四天王の中心はもちろん毘沙門天王です。

裏鬼門は泥里底方と言って羅刹の住むところですので鬼子母神と十羅刹女の御札を祀りますが、鬼子母神も毘沙門天の御眷属で最勝王経の守護神です。法華経守護が有名ですが法華経だけを守る神ではない。准胝佛母の眷属でもあります。

 

※濱地先生外篤信者の印施した最勝王経大弁才天女品の復刻本。学生だった昭和55年に確か4000円でしたかね。学生の私には高額な志納料でしたが飛びつくように買わせていただきました。

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同経の扉絵

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