忙しい中ビデオに撮っておいて、仕事のあとで今とても興味深く見ているCS外国ドラマ「ダウントンアビー」は英国貴族の一家が19世紀から20世紀にかけて流れゆく時代の中で変貌を遂げながら生き抜いていく物語。
ついつい深夜まで見てしまう。
ダウントンアビーはもとダウントンにたつアビーつまり修道院だった壮麗なお屋敷の名前。
このドラマがどうしてそんなに興味をそそられるのか・・・いつのまにかどこかで日本の大きな寺院の姿に重なるからかもしれません。
取り組むべき共通の課題があるように思える。
いままで宗教法人法の下。徳川幕府の決めた檀家制度の下。多くの檀家に支えられてき大寺院。
そして多くの役僧・小僧・寺男などがいたそうした寺院の多くは、現代社会では使用人や役僧も大幅に減らし、堂塔伽藍の維持や修復もままならないところすらある。
昨日もある御住職と電話で話しましたがこうなっては大寺院こそ、設備投資や人件費に追われ身動きも容易ならず、もはや機動力のある俗に言うマンション坊主には勝てない。
実際目の利いた若い僧侶は大きな寺院の後継者に押されてもそうした計算が働いて回避する傾向すらある。
下手をすると本堂の屋根の吹き替えだけに一生をついやすはめにもなりかねないからです。
釈尊のお言葉をお借りするなら「飾り立てたクジャクは鳩より早くは飛べない」のです。
「どうしてこんな大きな家に住んでるの?」維持費を稼ぐために屋敷の見物を企てた一家。ドラマの中で見物客の子供に伯爵はそういわれる。
このドラマのグランサム伯爵家も屋敷や荘園の維持、使用人の雇用問題、令嬢の結婚相手の社会的ステータスなど多くの問題に翻弄されていく。
しかし一家の人々もその使用人たちもめまぐるしく変わる時代の本流の中で「貴族」であることの意味を彼らは模索しながら生きていく。
貴族と呼ばれる自分たちは今何をすべきなのか・・・を。
新春には映画も公開される。目が離せない。
https://downtonabbey-movie.jp/
ちなみに私が好きなキャラクターは憎めない悪役の副執事バロー氏と毒舌のお上手なグランサム伯爵のお母上レディ・バイオレット。