映画「フォードvsフェラーリ」を見てきました。
車の運転しないし、とりたてて興味もないのですがどんな映画だろうという好奇心で見に行きました。
アメリカの巨大な自動車会社フォードの二代目は行き詰まっていた。打開策としてイタリアの老舗フェラーリを買収しようとして手ひどくはねつけられてしまう。
そこで威信をかけてル・マンレースで優秀なスポーツカーを作りフェラーリ車をうちたおそうと決意する。そこに登場するレーサーと車に生きる人たち。そんな映画です。
映画は全編フォード側の人間のおはなしです。
でも大会社に金で頬を叩かれてたまるものかと意地を見せるフェラーリもいい。
まあ。苦心惨憺して短時間でフェラーリに勝てる車を作ろうとする苦闘ぶりも見ものですが、それだけではなくレースの場では商業主義とスポーツマンとしてレーサーの葛藤も描かれる。
最期まで見ていくらプライドがあってもやはり最終的には商業主義の旗手として動かざるを得ないのかという現実をみせられます。
それゆえのギリギリにまで食い下がる自分の意地も見える。
せめて一太刀!そういう思いは人生至る所にあります。
それが現実です。
私たちはいろいろな都合で思うようにばかり生きられない。
やりたい放題はできない。
そんななかで妥協したり、傷ついたり、折れたりしながらも欲しい線は維持する。
この映画は実際の話がモデルだけにそこはやはりしっかり描かれている。
自由自在にならなくても不自由の中でも夢は十分追えるということを教えてくれる映画です。
少なくとも映画に出てくるのはそういう人々。
何がどうだからと理屈をつけてあきらめてしまうようなもののは・・・たぶん本当の夢じゃないね。