大黒さまは荼吉尼天さまの上司です。
もともとは憤怒尊でとっても怖い神様。
荼枳尼が魔女だったころ飲み込んで調伏し善化させた神様です。
だから荼枳尼手の霊場には必ず大黒様がある。
それで、うちでも大黒幣出しております。
でももっと忘れていけないのは荼吉尼調伏の大黒天は釈迦の所変。
それで荼吉尼天も本地は文殊菩薩。実はどっちも舞台の上での役割。そういう仏さまが演じる神様芝居なんです。
何故そんなことするのかと言えば衆生救済。
それだけのため。
だから荼枳尼は悪魔だからダメなんて本気でいうのは密教のミの字もわからない人の言うこと。
そう考えてはそういう粋な設定しても総て無駄になる。
それでは何も汲み取れない。
荼吉尼天にしても歓喜天にしても鬼子母神にしても魔神としての前がある神様です。
それだけに荒くはあるが、慈悲のこころは深い。
魔とは何かをよくわかっている。人間の切なさ・邪悪さ・愛憎もよっく知っている
そういう役どころで出ている。キャラクター設定です。
ほんとは本地は仏菩薩なんですが、あえてそういう表看板ででている。
だから彼らは梵天帝釈みたいなもともと出自のいい神様が手の付けられぬこともするりと解決する。
「鬼平犯科帳」って知ってますか?リアルタイムの放送は今はないけど。
中村吉右衛門さんが当たり役で大ヒットしました。
その前はよろずや錦之助、中村白鸚(吉右衛門さんの父上)がやっていた。
鬼平犯科帳に元盗賊の密偵が何人もいて大活躍する。
仏様と彼らの関係はそんな感じですね。
実際見ていると多くの作品には長谷川平蔵より密偵のスリリングな活躍がえがかれています。