絵入り金剛経です。冒頭に四菩薩はじめ珍しい八大金剛の絵が出ています。
八大金剛の功徳は以下のようになっています。
「青除災金剛」:能除一切眾生宿災殃。宿業の災難や病を除く
「辟毒金剛」:能除一切眾生熱毒病苦 。熱毒の病苦を除く
「黃隨求金剛」:能令一切眾生所求如願,所願皆得 。求める心を皆得られる。
「白淨水金剛」:能除一切眾生熱惱苦悉得消除。熱悩の苦を除く
「赤聲金剛」:能照一切眾生光明所得見佛 。光明の内に仏とまみえる
「定除災金剛」:能除一切眾生三災八難之苦。水火兵の三つの災いと仏法に縁の遠い
八難所の苦を除く
「紫賢金剛」:能令一切眾生心開悟解發菩提心。悟りの心を開かせ菩提心を起こさせる
「大神金剛」:能令一切眾生智牙成就,惠力增具。智慧の牙を成就し。具足せしめる
(智慧の牙?とかいてあるけど智慧の芽の間違いだと思う)
天松居士は白浄水金剛神をことに信仰せられ、熱悩の苦、つまり激しい煩悩の苦を除く誓願に注目されたという。対するに僻毒金剛神は現実に病の熱毒を除くと思われます。
西遊記に出てくる八大羯諦とは彼らのことだろうか?
面白いのは紫賢金剛神で、悟りを開いての菩提心を起こさせるというのは普通逆ではないかと思うが、ある程度の小さな悟りを得ないと悟りの味を理解しないので菩提心が起きないということであろう。
八大金剛には各々霊符があるので、望む功徳を得るには好む金剛神の霊符を祀るといいかもしれない。
この御経の裏側は隋から明代までの霊験記になっている。