准胝独部法の修行者各位へ
明の施尭挺の書いた「准胝心要」には行者がもしこの行法をしても心乱れ散乱することあればア字を思えとあります。
同書は「およそ仏法は成就せんとするにしたがって種々の障礙があるものだ。
もし行者、障礙のために怖れを抱き、舌難にあい、心不安にしてあるいは昏睡起こり、あるいは瞋り沸き起こり、あるいは悪夢を見て、法に疑いを起こすとき、ラ字を書写しラン字をあるいはア字を観想すべし。
あれやこれやと分別(理屈をかんがえて疑うこと)あればシャという梵字を思いなさい。執着強く起こればカーン字を観想せよ」とあります。
これは独部法のみならず、ほかの理趣分の加行法などをしても多かれ少なかれおなじことが起きます。
真面目に業をしているなら思い当たることは多分あるでしょう。
それでも独部法は比較的これらの浄化が緩やかかつ速やかであるため在家にも行えるのですが・・・それでも中にはどうしてもだめで挫折する人もあります。
ましてやほかの行は環境をととのえないと日常の中では不成就であったり、悪くすると乱心することもあります。
独部法でもできないとなれば残念ながら密教はあきらめるほか、致し方ないです。
密教は多くの象徴を使いますがそういう方が苦手な方は止観なんかの方がいいのかも。
さてこうした現象は心識の洗い出しが起きるため起こるので必要なことであって無暗に忌むべきことではないですが、あまり激しいと行の妨げになるので上の便法を用います。
各梵字は下のごとし