金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

熱中症対策、酸梅湯効果   松江堂薬局のブログ

 

 

三国志の中で、曹操の一行が荒れた土地を行進していて兵士たちはのどが渇いてしまい苦しんでいた。

そこで曹操が「向こうに梅の林があるぞ」と言うと、兵士たちは梅の酸っぱさが頭の中に浮かんできて

口の中に唾が湧き行進を続けることができました。これが中国の故事「望梅止渇」です。

梅を使った飲み物は古くから中国では飲まれてきました。

北宋の都開封の都城内外の殷賑(にぎわい栄えた)の様を描いた画巻のなかに「飲子」「香飲子」という札が下がっていますが夏には消暑のために梅のジュースを売っていました。

 

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清明上河図

 

下の動画は清朝の酸梅湯の売り声です。


老北京艺人~阿龙~100年前卖酸梅汤的吆喝

酸梅湯が生まれたのは清朝の時代です。満族の乾隆帝が命じて作らせました。満族は北方民族で肉食が多いので太らないようにしたかったのです。

梅は燻蒸して烏梅にしました。烏梅は後漢の時代には薬材として使われていました。張仲景の烏梅丸があります。宋代の和剤局方 二陳湯の原典にも烏梅が入っています。

酸味があり汗を止め下痢を止める作用があります。赤痢菌抑制作用があるので、夏バテ、胃腸炎の予防になります。

山査子は、肉を消化させる作用があり、脂っこい物を食べた後に飲むと消化を助け胃がスッキリします。

陳皮は消化管の中の余分な水を吸収させます。

現代では山査子には、冠状動脈を拡張して血流量を増やして血圧を安定させる、コレステロールを下げる作用が確認され臨床で使われるようになっています。

最近は外来種の絡神花を加えるようになりました。ハイビスカスのローゼル種です。よくハイビスカスティーとして飲まれていますが、ワインレッドのきれいな色です。

ハイビスカスは色が美しいだけではなく、台湾の中山医科大学栄養学部の報告では毎日200cc2ヵ月でコレステロールを下げる血圧を安定させたそうです。

夏は脱水症にならないように水分の補給が大切です。

清涼飲料水の害はいろいろとあります。夏は五行では火に属し、同じ火に属す心臓に負担がかかりやすいです。心臓の疾患がある人は注意しましょう。

水分補給、口の渇きを止め、コレステも下げる酸梅湯を飲んでおくといいですね。

酸梅湯の作り方

烏梅、山査子、陳皮が入ったセットを作りました。3回作れます。1セットで2000cc作れます。ご注文はmatsuedo@remus.dti.ne.jp まで。コレクト便で送ります。

 

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3回分 3000円+送料など1000円