私の法友の話
彼はある時期に物心両面で不遇であった。
当時師事していた大阿闍梨がそれを見抜き、彼を呼び寄せてある修法を授け100日修行するように命じた。
その時に
「一時の法験に甘んずることなかれ」
とか訓戒されたそうである。
ちょっとご利益があったら、もういいなと思って拝むのをやめてしまうと、せっかくの功徳もそれで終わってしまう。
小さなご利益を励みに精進し続けるとしまいには大輪の花が咲くのである。
私自身も施餓鬼供養を続けて30年以上であるが、やはり積み重ねというのは大きな力を生み出す。縁側にある石に長年雨だれが落ち続けると、その部分に、ついには穴が開くようなものだ。
ちなみに彼は100日ずつその修行をして、1年経った頃には不遇な状況を抜け出したそうだ。
ところが良い状況になり、それに甘んじて修法しなくなったら、そのご利益が消えたそうである。
仏天のご加護をいただくのを加持というが、仏様はその功徳を加えてもこちらがしっかりそれを保持しなければならない。
それには根気よく拝み続けることが基本である。
供養も同じことで、怠らずにご先祖に感謝を捧げ、三界万霊を供養していると、いつのまにか大きな利益を授かるのに気づくのだ。
予告
秋のお彼岸のご案内は近日中に掲示いたします。