大元帥明王法は鎮護国家の要法。秘法中の大秘法。
真言宗独自の方で天台方ではききません。
日本唯一の三蔵法師。法相宗の霊仙三蔵が唐からこの法を持ち返ろうとして毒殺されたという。
まあ、当時でいえばの第一級の秘密兵器ですから。当時の感覚では核兵器みたいなもの。
後の真言僧・小栗栖の常暁さんがようやく持って帰った。
この人は縁があったんでしょう。唐にわたる前に井戸をのぞいたらすごい顔の鬼神が見えたそうです。これが大元帥明王だった。
この話は法と言うものは本尊の方が手元に行きたいと思わないと本当には手に入らないということ。
聖天供や求聞持法などの秘法もそうですね。
たとえ授かっても修す機会がないまま終わる。
むかし真言宗の阿闍梨さまから聞いたのですが一説にはこうした秘法は授かりながら修さないでおくと逆に障礙になるともいう。
この法を御修法として醍醐の理性院で行うときには道場には毘沙門天を祀るとききます。
なぜなら大元帥明王は毘沙門天配下の八大夜叉である阿吒縛俱( アータヴァカ )夜叉大将が明王になった方だからです。
だから大元帥明王は天部の毘沙門さんより位が上になったけど、恩ある上司は上司。
道場にお祀りします。
肩叩いて毘沙門様から「お前俺より出世したなあ」と言われるのかも。(笑)
外に烏枢瑟摩明王も青面金剛も毘沙門天の処から出た出世組。
青面金剛も一応明王部と言うけど実際事相の扱いは天等夜叉部に思う。
これは明王部自体がもともと夜叉から発達した尊格であることを示しています。
故に夜叉明王と言う。
昔、学生時代に友人の友人からバカげた相談があって占い師さんとトラブルがあって「お前なんか大元帥法で呪ってやる」と言われてるんです。助けてください！というおびえた人からの相談が…
申し訳ないけど笑いました。
バカバカしい。原爆落として個人の復讐するようなもんでしょう。そんなことありえない。聞いただけでもお相手は素人なのが明白です。(大法でない次第もあるにあるけど)
できやしないから、「やれるものならどうぞ」と言っておけばいいですよと答えておいた記憶があります。
