顕教における読経は声が大事だというお話をしましたが、こんなことがありました。
何だか、よく覚えていないがかなり厄介な霊問題で精霊供養の最終座で師匠の読経に私と兄弟弟子であるK尼が随喜することになりました。
師からはこそっと「k尼は声が出なくなるかもしれないからアンタ、そのぶん助法シッカリ頼むわな」といわれました。
案の定kさんは声が途中で出なくなった。
本人は何も言われていないので暗示のせいではないと思います。
餓鬼が声を取るのである。
無形のものである声を取るというのはおかしいが、喉に手を突っ込んでくるのかもしれない。霊眼なき身でどんなことが起きているのかその光景はわからないが・・・
実は私も精霊供養をする喉が詰まる感じだけは分る。声が出しにくくとても読経しづらい。
同時に仏前のお線香が大きく灰を付けたままUターンした形になった。
大薫香と言う長いお線香でした。その灰が落ちないでU字を描いた。
これを見た師匠が「帰ってきおった。これはもう一度お経読まないとあかんな」と言うので皆で再度読みだした。
二回目の読経でややあってK尼の喉は解放されました。
昔はお寺に行くとそんな風なことが珍しくなく、思えば自分の目を疑うような冥府魔道を行く日々でした。