私の師匠は理趣分が好きで浴油以外の毎日の御祈願はほとんどそれだけでしていました。
色々と有難い霊験がいただけますが、そのひとつは十六善神のお働きによる。
十六人の神将ですが、これが名前を呼べばすぐに来ると儀軌にある。
別段、供養法を要しないということでかなり早く験がある。
理趣分祈祷のいろいろな秘印や説明などは実は大般若経ではなく陀羅尼集経にあるんです。
これをフルに使ったものが密教立ての理趣分。使わないのが顕教立て。
師匠はこれが好きだった。密教立てです。
ただし顕教でも読誦用のは必ず十六善神の御名前と神咒が冒頭にある。
読むお経そのものに違いはないですから。
この十六善神は四天王と十二神将の集合メンバーと言うがそれは日本で作った俗説でそういうものとは違うものです。
重なっている神様もあるにはありますけどどれがどの神様かわかりません。向かって左上から時計回りで筆頭の提頭羅多神王と言うけど多分違いますね。
こういう夜叉神将系の眷属はおはたらきが早い。だから師匠は同じように「薬師如来は拝むと験が早い。薬師さんや日光月光よりもまず十二神将が直に動くから。」と言っていました。
ちなみに天台では法身釈迦の現世化他のお姿が薬師仏です。
理趣分読むなら冒頭をしっかりと拝むことです。