2,3年前ですが中国のあるお坊さんの御祈祷をしました。
何でも孔雀明王法をしてほしいそうで孔雀法の行者を探したが、内地に思わしい人がいないので日本まで範囲を広げて探しているという。
でも私も知ってはいてクジャク法など滅多しないし、普段は十一面観音供でしているのでそれはちょっと私ではダメかも…と言ったが、ならば十一面観音供でいいから。というお返事でしたのでお受けしました。
何でも癌になってしまったそうです。
聞けばこの方は中国では名のある穢迹金剛の行者さんで、神通広大、金剛杓を空中に飛ばせる神僧のような方とのことでした。
「穢迹金剛」と言うのは日本で言う「烏枢瑟摩明王」と同じ方ですが、准胝懺法で両方お名前が出てくるから区別する考えもあるようです。
中華圏で「明王」と言えばこの方です。不動明王ではない。
日本だとトイレの守り神ですが、実は明王の中でも飛び切り御利益豊富な方です。
この祈願は秋ごろから祈って年末まで3・4か月祈願しました。
隣国のことだし、私のようなものがそんな偉いお坊さんを拝ませていただくのは徳積みになるので、あえてお金は頂かないで祈りました。
あとでだいぶ良くなり、お弟子方がそれでは言いけないというのお礼金を送ってくれました。
私は中共政府は大嫌いですが、中国の国民は東亜の隣人だと思っている。
随も唐も当時の先進国として大恩ある国だ。
年内でやめねばよかったがそういうことで一応切りがいいので辞めたら、翌年の冬に再度悪化して亡くなったということです。
続けていても御高齢の方ですし治るまでは難しいでしょうがもう少し延命はできたかもしれません。
残念です。
※拙寺の烏枢瑟摩明王