金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

あなたが死んだ時誰に拝んでもらうのか?  善龍庵

 

私は何度か、余命宣告をされた人から、死んだら葬儀の導師を頼みますと言われたことがあり、話し合って戒名をつけて実際に葬儀を行った。遺族にお伺いすると、皆一様に満足して最期を迎えたようである。

 

戒名も生きてるうちから授けるので(これが本来なのだが)当の本人も喜んでくれた。

 

以前、終末医療の先生の講演を聞いた時に、患者の思った通りの治療をすると、たとえ痛みが軽減しなくても、ある程度納得して死を迎えることができると言っていた。結局その人の意思というものが重要なのだと。

 

だから亡くなった時のことも、本人の意思に則って予め決めておくと、その最期は安らかなのかもしれない。

 

今時、菩提寺との付き合いが薄い都市部などでは、誰かがなくなるとインターネットの葬儀紹介業者に依頼することが多くなった。

そして、そこから派遣される僧侶が葬儀の導師をすることが多々見られる。

 

なにぶん安さが売りで難しい付き合いもないということだから、それはそれで現代的。

 

ただし派遣されてくる僧侶には、当たり外れがあるのでそこは文句の言えないところ。派遣の会社が僧侶のお布施の半分以上を収益とするのだから無理もない話である。

 

最近は派遣僧侶も厳しいようでお客の評価制だから、とても良いお坊さんもいるとのこと。しかし、とんでもないのが来ることも結構あるとよく耳にするのでご用心。

 

あるいはたとえ菩提寺があっても、住職が嫌いだとかお布施が高すぎるなどと問題のある場合も。良い住職で普段からコミュニケーションが取れる菩提寺なら心強い。

 

どちらにせよ信仰のある人は、平生からこの人にというお坊さんを見つけて、よくお願いしておくと、最期の一大事に安心できるだろう。