金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

お不動様が因縁を切るわけ 因業不可得

仏教は因果論の教え。
因縁切とか言うとお不動様が強い力を持つと言いますね。
一面それで不動様は人気がある。
お不動様の梵字はカーンと言う字。
これは「因業不可得」の意味。
因業不可得って何だろう?
 
「因縁なんか捉えられないよ」と言う意味なんです。
 
たとえば、大昔、戦で人を殺したご先祖がいたとする。
で、その因縁で色々な不幸が起きて苦しむ。
確かに人を殺せば悪いカルマになります。
でもちょっと待ってください。
ではその殺された側にはどんなカルマが・・・?
それはやはり殺されるような因縁があるということになる。
前世でだれか大勢殺したとか・・・
じゃあ、その殺された人はどうしてそういう因縁があるんだろう。
・・・・こう考えればきりはない。「因」に始まりも終わりもない。
おなじく「果」にも同様に終わりはない。
「三世両重」の因縁と言って過去世の結果が同時に来世の因でもある。
因果不二といいます。言い換えれば因果も空だということです。
 
だから因縁を清らかにするというのはそういう絡まった因果の糸みたいのを一つ一つほどくことではないんですね。因縁ほどきなどいらないんです。
それ切りがない。
一つ一つ過去を霊能者に聞いて供養していくようなことしている人もいるけどね。
何百年前のご先祖様とか、そのご先祖に恨みがある霊とか、一体一体因縁調査して供養する。でもそんなことまで必要なのかしら。
私もこの状態はどういう因縁なんでしょうとか聞かれるが知りません。
知るわけない。
 
でもそんな過去世のカルマがどうとかではなく、バッサリやる。
因業不可得だからバッサリやる。
業因であるカルマは捉えることなんてできないと言っている。
それが空の智慧でありお不動様の剣です。
智慧の剣、智剣です。
般若波羅蜜と言う剣。
仏教のやり方はそれです。
畢竟空。
それが本当の因縁解脱。
ホントに因縁を何とかしたいなら前に向いて精進するのが正攻法。
 
そこから再出発するんです。先祖供養も大事だがさりとてどこまでも過去ばかりいじっても切りがない。
 あなたが6000万年前にチラノザウルスだったころ、かみ殺した恐竜の供養までしますか?
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