この前オークションで武田菱と梶の葉のついた箱に収まった銅製のムカデが出ていた。
埼玉県の聖神社(聖明神社)に収められた元明天皇御下賜の銅製のムカデを思ってか、裏側に聖神社の関連の品のように紙が貼ってあったが、これは違うだろう。
聖神社に武田菱も梶の葉も関係ない。
梶の葉は諏訪明神の神紋、武田氏の守護神である。
ムカデは諏訪明神とどう結びつくか?
武田氏のはいかには百足衆と言う軍団もあった。
結論から言えば上下の諏訪明神は毘沙門、吉祥の二天もしくは双身毘沙門天と習合していたからだろうと思う。
雲峰寺には諏訪明神の軍旗として武田氏が用いた、現行の儀軌にみられない真言を書いたものがあるが、諏訪明神の陀羅尼とされるものはその内容は多分に毘沙門天と吉祥天にかかわるものだ。
和製真言だろうが、だとすると異例の長い陀羅尼だ。
この百足はそう言う意味で諏訪明神と毘沙門天を結ぶ貴重な資料でした。
入札しておいたのですが落札し損ねたのが少々残念です。