今日は贅沢をして清朝の宮廷料理を出すお店に行ってきました。
西太后の料理番をされた方の子孫が経営しているお店だそうです。
実はなにか美味しいものを食べたいというそれ以上に…どんなものを食べていたんだろうか興味があったんですね。
結果は大変上品であっさりしたものでした。
確かに素材は素晴らしいものでしょうが、いわゆる中華につきもののコッテリはない。
同行した蒼龍院などは「和懐石みたいですね。」とまで言った。
西太后は「翡翠豆腐」のように豆類の料理を好んで召し上がったとか
お菓子らしいものも当時は少なく西太后はヨーグルトや木耳にうすく蜜を盛ったものを食べたようです。今の動物性油脂たっぷりの中華菓子みたいなものはなかったそうです。
聞けば西太后は健康、長寿、美容がテーマだったのでそれに基づいての料理を食べていたといいます。
つまり日ごろから食事には十分気を配った人だったという。
決してただ美味を求めて貪るということではなかったようです。
有名な「茯苓せんべい」も彼女のために考案された健康スナックです。
よく今日でも暴飲、暴食、脂肪分タップリの美食をしてもこれさえ飲んでいれば大丈夫などと言うサプリメントがあるようですが、往々にして漢方の応用のものも多い。
でも西太后はそのような類のものを頼らず、あくまで「食こそをそのまま薬」と考えたようです。
この考えは敬服に値する。
これは仏教の食事の考えとも一致します。
中国では大悪女というレッテルの西太后ですが、ライバルの側室の手足を切って達磨のようにしてツボに入れたり、井戸に投げ込むなどという映画のような話は実際は無かったようです。
たしかに権謀術数渦まく紫禁城を支配する冷徹で怖い人物だったようですが食についても大変賢い考え方をしていた女性で女帝と言われるだけあってやはりそれなりの人物であったようです。
美容健康に気を使いながらも政治上は自らの威厳のため、ラオイェ(御爺様)と呼ばせたと言います。
宮廷にありがちな美貌や贅沢のみを生きがいとする女性ではなかったようです。
どちらかと言えば男性的な権力や政治志向の人だったらしい。
こんな話があります。
西太后が扱ったお裁きで医者の妻が主人殺しで訴えられているという事件があったそうです。
西太后は話を聞いているうちに直感的にこの女性が罠に陥れられ罪を着せられているのではないかと感じ、再調査を厳命したところ果たしてその読みの通りだったそうです。
無実の証明された女性は深く西太后に感謝したと言います。